--イベントどうでした?(8/30のフリークエンシーズ。)かなり久しぶりでしたよね 「3ヶ月ぶりぐらいかなぁ」 --今回は新譜リリースのライブもやったわけですが、例えばバンドやヒップホップの場合とかは人が動いたり演奏するという意味でDJだけの時と明らかに場の空気が違うから”あぁライブやってるんだな“っていう実感がありますよね。しかし今回のだと、ブースの位置が違うのと音源がレコードかシーケンサーかという違いしかなくて目に見えるライブ感がないですよね。こういう場合のライブってどういう意味をもつんですか
「ライブは…よく出演者に”客踊らせないといけない?“とか聞かれるんだけど、好き勝手やっていいよって言ってる。30分なら30分、この空間は君にあげるから表現したいこと全部やってくれって。だからはっきりいって何が出てくるかわかんないですよ。客に合わせてダンス・トラックをやるのもいいけど、アーティスティックなアンビエントでもいい…基本的にダンス・パーティなんでダンスできるトラックがいいんだろうけど…ミックスマスターモリスとかとアンビエント・パーティーをやってた時期もあるし。今もまだ止めた訳じゃない。でも最近、極端な形でそれらの混在はすべきではないなと。クラブの部屋が完全に分かれてて二つ同時にやってるってのが理想。」

--いままではどんな感じでやってきたんですか 「フリークエンシーズという名前ではもう3年やってる。毎月やってた時もあったし…まぁ最近はわりと不定期だけど、かなりの数はやってきた」 --そもそもフリークエンシーズというイベントって最初はどんな感じで始まったんですか 「なんていうのかな、要するにDJとしての活動の場がなかったから。特にテクノとか、パーティーを始めた91年当時は逆風状態でクラブさえ、こっちが金払うっていってんのにハコ貸すらしてくれない状況だったから、そういう中で自分らのクラブで活動できる環境を、ないんだったら作るしかないから」 同席者:フライヤー捨てられたりしたもんね 「ええ(笑)…某店で」 --涙ぐましいですね(笑)。で、それからずっと維持しているんですよね 「やっぱり(リリース作業だけでなく)活動の場ってのは必要だし、レコードでのアウトプットと現場でのアウトプットって違う。サイジジーのパーティーで言うと、必ずしもフリークエンシーズってサイジジーの音と同じではないし結構ダンスパーティーぽかったりするけど…」
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--現在のテクノのシーンは、どんな感じになってきているんですか 「今、ほんと細分化してる。レーベルなんてもう無数にあるから。昔(サイジジーを)始めたころは『とれま』しか無かった。94年になってフロッグマンが出てトランソニック、ダブレストラン、サブヴォイス、サブライム、イエローはなくなっちゃったけど、その当時で8レーベル。今はみんな自分勝手にレーベルとかやってて、僕らの知らないレーベルとかもたくさんある。いいことだと思う。」 --逆に言うと、みんなが自分勝手にやっていける要素ってのがあるんだ 「例えば、あるバンドをインディーズで出すって言っても、スタジオでのレコーディング代とかすごくかかるし…それで、更にCDをプレス、という大きな金銭的な問題がある。テクノの場合には自宅で全部やれるからスタジオ代とかも要らないしプレス代だけあれば出せるけど、バンドとかだと(まともにやったら)3倍くらいはかかるから。」 --今は機材なんかもそんなに高くないし、流通も個人レベルでやっていけるシステムもあるから、あとは自分でやるかやらないか、ってとこまで来ているんでしょうね 「それと、いらないフィルターを通さなくていい。それがメジャーとインディーの一番大きな差。例えばメジャーで出すっていったらもう、ものすごい過程があって”ろ過“されるわけじゃない?それこそ最大公約数になっちゃう。大半のメジャーは”今これが流行ってるから売れる!“とか季節商品っぽい考えだし。それじゃ面白くないってのがあるから自分でやる。サイジジーだったらワンクッションでアーティストの個性を生々しくレコードにして反映できるけど、メジャーだと売らないといけないとかいろんな事があってバンドとかもだんだん表現を売れ線に沿らざるを得なくなり、個性が”ろ過“させられやすい。そうすると結果的に似たようなものしか出てこなくなる…それってやっぱりコストがかかるからそうなっちゃうでしょう?メジャーはかなり売らないと回収できないから。だったらコストをかけなきゃいい。コストをかけない事で最低限の回収でよくなり、それで次作が出せて、しかも全てを自分たちでコントロールできるんだったら、じゃあそっちをやっちゃおうと。まあコストをかけない事が活動の目的ではないけど、こういうシステムの上だからこそ成り立っているのは間違いない。」 --コストが絡んでくることでアーティストの個性や音楽の鮮度が薄れるのはたしかによくないですよね。しかし最近、ケンイシイがメジャーからリリースしたり、先日開催された富士山麓のイベントなんかは二万人近く集まったりとか一気にポピュラーになってきていますが、そのあたりって?
「あ、別に僕はメジャーとかを毛嫌いしてる訳じゃない。その(作品の)内容に関してまったく口出ししない限り提携関係は持ってもいいと思っているし、リリースもね。そういうのは、これからの人は自然にやってもいいと思う。あくまでも表現を干渉されないという条件であれば。またメジャーの人でも音楽好きで熱心な人がいることも知ってるし。
あと、ポピュラー化に関して言えばテクノもちょっと違う次元に入っていってる…ある意味アンダーグラウンドでなくなってる部分もあって、やっぱそれはそれに合うようなアウトプットもありかな、と思う所もあるし…でもそれを僕がやるかという問題になると話は別。まぁ僕は…テクノシーンの中でも分かりやすい部分にいる訳でもないしどっちかと言うと、歩み寄ってきてくれる人が好き。音楽ってやっぱり歩み寄らないと分かんないし…。
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基本的に与えられるものだけを聴いてる人ってあんまり好きじゃない。だから音なりCDのジャケットなりに(たまたま接して)おおっと思って聴いてくれてそっから入って来てくれた人を大事にしていって、そういう人をどんどん増やしてそれで最低限の経済のサイクルを成り立たせていけたら僕はそれで満足。別に右肩上がりの成長なんて目指してないし」 --これから、どんな感じでやっていくんですか 「最近、僕ら以外にも若い人達がパーティーをやってくれるんで、もう僕がそんなに無理して必要以上にやらなくてもいいかなって思ってて、その余った労力を制作とか他のことへ注いで行くつもり」 --制作というと? 「2年くらい活動停止状態にあった自分のアーティスト活動を再開させることも勿論あるけど、レーベルオーナーとしてとりあえず今まではちょこちょことしかやってなかった海外ディストリビューションをきちんとディストリビュータを通して本格的にやろうかなぁと。あともう一つレーベル始めて、それは海外にプレスを出して自分たちが一度日本へ輸入し更に海外へ送り出すなんて事はせずに、全ての流通を海外ディストリビュータに任せようと思ってる。12インチEPオンリーのレーベルなんだけどやっぱりアナログを海外と日本で往復させると異常にコストがかかる。それを日本でどう流通させるかという問題は、まあ日本はインポーターが異常にいるからほっといても勝手に輸入盤屋に入ってくるから何もしなくていいかなって。その逆のエクスポーターってのが日本は音楽に関しては皆無なんだよね。だから海外の人は日本の(一般的な)音楽をほとんど知らない。あと、新レーベルに関してはというかサイジジーもそうなんだけど、やっぱり無名な人でもいい音楽を作る人の作品をどんどんリリースしていきたい。当たり前の話、音が一番重要なんだけど最近はテクノのインディーズでもネームバリュー指向だから。そういうのは、ちょっとね。」 --音楽の純粋さや表現の自由さを保つために、そういったシステムを作り上げて維持するのは大変だと思うし、だから今までの、特に地方のミュージシャンやシーンにはそれが欠けていたから東京に行くしかなかったんですよね 「だから、そういう事をやって行ける可能性も示したかった。地方で、しかも肩肘張らずに自然体でやれるっていう可能性も示したかったっていうのもひとつは、ある。勿論それが全てじゃないけど。」 --じゃあそういうシステムのメドが立ってきたと
「そうとも言い難いんだけどね(笑)…まあしかし、いくらレーベルやってるっていっても、例えば一年間に一枚しか出さない、となると何を表現したいのかっていうのがやっぱり示せないでしょ。そうすると、やっぱり語るよりは作品で示さないといけない…だから今後はかなりレーベル活動のペースを上げる。まぁそういうサイクルを続けて行かない事には…まだやりたいことの10分の1もやれてないからね。」
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