WEB BEA VOICE Vol.210 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET

photograph;西原麻知子 text;水本桂鶴子
/ 九月一日 赤坂BLITZ「THIS」

 月三十一日、九月一日に赤坂BLITZで行われた、佐野元春プロデュースによる「THIS」2デイズ。「NEW ATTITUDE FOR JAPANESE ROCK」のサブタイトル通り、J-ROCKの新星達を体感できる有意義なイベントだったと思う。 このイベントに参加して、日本のミュージシャンも多彩になったなあとつくづく思った。 親の世代も洋楽に触れて、いろんな音楽を聴いて育ったアーティストたち、しばらく邦楽に背を向けていた私も、そんな彼らの姿をウルウルしながら観てしまった。 ロックあり、ラップあり、ブルースあり。若くて才能豊かなアーティストを束ねる力を持った大御所、佐野元春氏にも素直に感謝しなくっちゃ! さて、私が足を運んだ九月一日「THIS」のラインナップは、かせきさいだあ、ホフディラン、GREAT3、エレファントカシマシ、Interenational Hobo King Featuring 佐野元春、そして紅一点、こたびの私の目的であり、プロデューサー佐野元春氏が「素晴らしいブルースボイスの持ち主」と紹介したUA嬢である。 GREAT3を受けてUAは4番目にステージに登場、大ヒットとなった「太陽を手に月は心の両手に」や「情熱」を含む5曲を披露してくれた。彼女のオープニングナンバーは、七十年代にその名を残すジェファーソン・エアプレーンの「SOMEBODEY TO LOVE」。シャウトするメロディ、シンプルな歌詞、カバーの選曲としては申し分無い。がしかし、この日のUAは残念ながら100%の出来ではなかったように思う。言葉は悪いけれど「ちょっとかったるそう」だったのだ。 でも努力だけでは手にすることができない声を授かっている彼女が持つ、『才』の素晴らしさは感じることができたし、体張ってます!という雰囲気の腰巻きルックも板に付いていた。それに加えて印象的だったのが、UAのステージを熱視する女性ファンが多いことだ。 いまさら言う必要もないが、スタイルを持った女は、やっぱりかっこいい! 私自身も常々思っていたのだが、「生き方」を話題にするなら元気のいい女の子と話をする方が、男の子と会話するより断然面白い。きちんとした意見とはっきりした意志とやり抜く意地を兼ね備え行動する彼女らといると、私自身も触発されるし、何より気持ちがいい。生き様を認められる相手は、異性であればなおさら魅力的なはずだろうが、女同士のカジュアルレズビアンは、私の周辺ではこれからしばらく続きそうな気配である。 私自身が感じているカジュアルレズ気分とUAの女性ファンを結びつけるのも乱暴だとは思うが、同性が認める格好良さは、男女を問わず共通しているはずだ。持っている才がきちんと活かされている場を持ちイキイキとしている人間に対する共鳴。
男性は独特の照れがあるから「おまえかっこいいな〜!」なんて同性では言い合ったりしないだろうが、女性は、結構お互いを「素敵!」とか 「可愛い!」と褒めあえるから、元気がよくてかっこいい女性がバンバン現れるという相乗効果を生んでるのかなと思ったりもしている。 「太陽を手に月は心の両手に〜」。ラジオから流れてきたUAのボーカルを初めて聞いた時の印象を私はよく覚えている。哲学的な詞の内容といい、その力強い声といい、大げさかもしれないが「縄文民族」をイメージさせられたのだった。 音のイメージが先にあってUAという変わった名前に興味を覚え、その後彼女のビジュアルを目にするわけだが、短い髪に布を巻き付けたような衣装でポーンと立っているUAは、ボーカルを聴いた印象そのままだった。素晴らしいスタッフが彼女を支えているのだろうが、イメージ戦略なんていう言葉がチープに聞こえるほど、ボーカリストとしての才能を活かしてい るUAというアーティストはやはり、かっこいい女のひとりに数えることができる人間だと思っている。 私がUAに抱いていたイメージは「巫女」だ。そんなイメージ迷惑かもしれないけれど、それほど彼女の声は、鮮烈だった。巷に流行する「歌える音楽」と異なり、「声が違うから…」と聞き役に回るしかないところが気に入ったし、「太陽を手に」とか「情熱」とかいう簡単に口にしづらい言葉を並べてくれたのも颯爽としていた。 今夜のオムニバスライブでは曲数も少なく、残念ながら完全燃焼という形でなかったにしろ、まあ巫女だって人間。次に彼女単独ライブを見る機会があれば、その声を十分に堪能しようと思っている。
New Single
『リズム』

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『11』

10/23 ON SALE