WEB BEA VOICE Vol.218 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET

Brand New Artist  TEXT:森 裕史
【STAND CAST BAGG】
真夜中大音量ヘッドホン&涙…系ロックです!?
 インディーズってのは何だろうか?と朝まで論議することが最近しばしばある。答えは出ない、いや出ないことなんぞはとうも承知の上である。ポップミュージック界においてそんな言葉は、あ・く・ま・で・も・便宜上のカテゴライズであって例えば「セールス1万枚以上だったらメジャーね」とか「株式だったらメジャーね」なんてのが決まっていればいいんだが、そんなのあるわけない。で、セールストークとして「インディーズっぽい〜」なんて安易に使うバンド(メーカー)がメジャー、マイナー問わずわんさかおられる昨今ではありますが、そんなのをスカッと飛び超えてくれる嬉しいアーティストを御紹介。
STAND CAST BAGG(スタンド・キャスト・バッグ)はシンプルなロック・トリオながらブ厚くグルーヴ感溢れるサウンドに、決して熱くなりすぎない抑制されたボーカルが溶け込んでいる感じ、よくあるJ-POPみたいな<カラオケサウンド>とは一線を画する絶妙なフェーダーさばきを堪能できる(!?)。曲もいい。なんというか、ロック系はモチロン、いろんな音楽を吸収してるのがよく伝わる。そんでそれが決してモノマネでなくキッチリ自分たちの音まで昇華させているという・・・いいアーティストの基本だ。
 ライブは月イチくらいやってるようで、次回は7/21西新ビーベン。音は、HEADACHE SOUND SAMPLER VOL.1(タワーレコード、カメレオンレコードなどで入手可能)に2曲収録。5曲入りカセットも存在するが現在入手は未確認。ライブ会場で問い合わせてね。とりあえず、インディーズかどうかは置いといて、同じ街に住むアーティストの曲が普通に売ってて、普通に聴けるっつーのはいいことだ。    

EVENT REPORT TEXT:なかしまさおり PHOTO:鶴田里美
【PICARESQUE-EYE】
久留米が始めた自主的LOUD MINORITY!
 森永博志という名前を意識したのは、確か大学生も終わる頃。『BRUTU -S』の特集ページでだったと思う。“死ぬまで不良。”のキャッチの下に “ーイデオロギーよりも嗜好を先行させるが、人並みでは満足しない”で始まる「不良葉隠・百条」が並んでいた。そこには男の不良美学が説かれていたが、それ以上に自分が思い描く人生観がズバリと表現され、強い共感を覚えたことを思い出す。さて、そんな森永氏が今回「BOOKS ANTOKU」主催のDJイベント『PICARESQUE-EYE』で、久留米へやって来るという。しかも、ジャズを始め、さまざまな音楽的アプローチで世界的に活躍するU.F.O.のDJ矢部直と肩を並べて。これは行かねばなるまい。…というわけで、久留米は池町川沿いのビルの地下、ANNE-HALLへと行ってきた。まずは20:00スタートということで、地元DJのご挨拶的プレイが緩やかに展開。最初は踊る客もほとんどなく、寂しいなあという感じだったが、そこはやはりクラブイベントの定石、深夜になるほど人口密度は加速して、矢部氏登場の22:00には、100人近くのクラバーたちが思い思いのスタイルでうねりの空間を漂っていた。22:30ようやく矢部氏がターン・テーブルに手をかけると、フロアの気温は一気に上昇。スタイリッシュなモノからラテンなムードのナンバーまで、たっぷり1時間のダンス・ハイを味わった。その後、1:00頃より矢部・森永両氏によるミニ・トークへと突入。「街」、「情報」、「世界」、「音楽」…さまざまに及ぶ話題の中で、東京がすべて凄くて新しいのではなく、「新しさ」は常に自分の目と手足の先にある。メディアに流されず自分のしたいと思ったことをしよう…といった熱いトークが繰り広げられた。さらにこの日、会場にはアンディ・ウォーホルの写真家として知られるナット・フュンケルシュタイン氏の姿もあり、まさに久留米の“LOUD MINORITY”宣言であったといえよう。
  5月10日(土) at 久留米ANNE-HALL


必殺お笑い芸人青田買い TEXT:なかしまさおり
File:1【パタパタママ】(吉本興業福岡事務所)
お笑い好きの筆者が選ぶ、独断と偏見の“お笑い芸人青田買い”。
記念すべき第1回は、大胆不敵なキャラクターとひねりの効いた
プロットで、シャープな笑いを創り出す「パタパタママ」をご紹介!
雑誌の単独取材は初めてという2人に、直撃インタビューしてきたぞ。

●まず、2人が組んだきっかけは? 下畑「え〜、最初は7期生4人でやってたんですけど、2回目に木下1人で演ったら、どうも限界を感じたらしく、俺んとこへ泣きついてきたんです(笑)」 木下「ホントは(下畑のことが)嫌いやったけど、他に友だちおらんかったし、仕方なく」
●で、何で“パタパタママ”って名前なの? 下畑「特に理由はないッス。カッコイイ出囃子を探してたけど見つからなくて。たまたま、このソノシート持ってたから、これでいいや…って。コンビ名もそれで」
●でも、2人のネタってボケの角度が妙にツボにハマるよね。淡々とやってる風でちゃんと計算されてるし、何だか東京ウケしそうな感じ…。 木下「あ、その辺は結構意識してます。女より男を笑わせたいと思ってるし。でも、稽古あまりやらないんスよ」
●なんで? 下畑「ネタ合わせを何回もやると、段々新鮮味が無くな って自分らの中で面白く無くなっちゃうから。そうなると、お客にもキチンと伝わらんかな…って思って」
●なるほどね。ところでさ木下君…ハウス加賀谷に似てるって言われない? 木下「…あ、もう、最悪〜ッ」
●なんで〜っ?嬉しくない(笑)? 下畑「というかコイツ、自分のこと2枚目だと思ってますから(笑)。持ち上げられてなんぼ、常に“カッコイイッ!”“オモシロイッ!”っておだててやらないと」
●じゃ、最後に一言。 下畑「とにかく、イベントを見に来てほしいです。面白いか面白くないかは、それで判断してくださいッ!」 木下「そう!とりあえず、文句は見てから言ってくれ!…と、僕は声を大にして言いたいです、ハイ。あと、チケットは手売りが多いんで、買ってね(笑)」
木下貴信(左)/粕屋郡古賀町出身、巨人軍とプロレスをこよなく愛する19歳。下畑博文(右)/北九州市出身、流行りモノに目がない器用な24歳。対照的な2人だが、ともに“志村けん好き”という共通点も。7月2日よりスタートの定期イベント『ミスチパパ』はJTキャビンホールにて。前売500円で好評発売中!
※ラッキー7 7月9日・10日、前売・当日300円募集!「あなたの好きなお笑い芸人」を教えて下さい。ヨロシク!



今月の蟻地獄 TEXT:なかしまさおり
プレステにハマる、夜明けの“ロック”ゲーマーに捧ぐ!
 寝食忘れてバトルに熱中、テレビの電源つけっぱなしで、明け方になると豪快なイビキをかく弟に「…ったく、近頃の大学生はヨォ」と舌打ちしていた1年前。なのにすっかり、今は逆。音楽ゴコロをゲームに燃やす『パラッパラッパー』の登場以来、10数年ぶり“夜明けのゲーマー”を名乗る日々が続いているのだ。しかも、シンコー・ミュージックから、またまた気になるPlay Station用音楽系ソフトが出たという。タイトルは、超本格派バンド育成シュミレーション『SOLD OUT』。近未来の架空都市TOKIO-CITYを舞台に、1人のミュージシャンがバンドを結成。最終目標“TOKIO CITY DOME”のライヴを成功させるまでの道のりを、現実さながらにシュミレーションしていくゲームである。ん〜、なんか面白そうじゃあないっすか?まず、プレイヤーは、実力はあるがチャンスに恵まれないヴォーカリスト。3000万の資金を元に、楽器店、バー…とバンドのメンバー&コンポーザー(作曲家)探しを開始。ソフトにはオリジナル・ナンバー10曲(L.A.録音)が収録されているのだが、これが実はクセモノで、バンドのメンバー・チェンジにより、アレンジが変わってしまうなど、2,500通りにも展開。その中から、ブレイクできるバンドを見つけて、育て上げなくてはならないのだ(つまり、いい音、いいプレイを聞き分ける能力なんかも、試されちゃったりするわけね)。そして気になるエンディング。ここでは、ドーム・ライヴをSOLD OUTさせた者だけが見ることのできる中山加奈子(ex.プリンセス・プリンセス)未発表曲ボーナス・トラックもあるという。ヨッシャ、これはやるしかない。何が何でも、ボーナス・トラック見てやるぜ!…ということで、まだまだプレステにハマる、ゲーマーな日々が続きそうな私です。

『SOLD OUT』
6月20日ON SALE/
\5,800(税抜)

SUMMER BABE TEXT:森 裕志
【初夏おすすめの音楽】

 ムーンライダーズの25周年記念ライブで演奏された、ジャックという名のヘマばっかりなんだけど夢多き水兵さんのことをコミカルでロマンチックなメロディに乗っけた「マイ・ネーム・イズ・ジャック」っていう曲、知ってますか? ライヴ後、鈴木慶一さんに『演ってましたね』と言ったら『いい曲だよねぇ〜まったく…人の曲なんだけど(笑)』というコメント。実はこの曲、ジョン・サイモンというアメリカの作曲家&プロデューサーのペンによる作品で、それに鈴木慶一さんが訳詞を付けた、という次第。このジョン・サイモンという人は60年初頭から映画音楽などを主に手がけていましたが、60年代後半からのザ・バンド、サイモン&ガーファンクル、サークル、ジャニス・ジョップリンなどへのプロデュースやゲスト演奏者として参加したことでロック&ポップの分野でも有名に。 で、今回<初夏のおすすめ音楽>は、そのジョン・サイモン'70のソロ・アルバム。味わい深い、とはもうこの作品のためにある言葉でして、ジャズ&フォーク&ポップス&ロックを煮しめて変なボーカルを絡めたというか・・はっきり言ってウタ下手です。よくあるじゃないですか、旨いんだかまずいんだか分からないうちに何故か食べてしまって、そしてまたまた何故か食べたくなる井尻の某ラーメンみたいなの。それです。そしてついでにザ・バンドのロビー・ロバートソンが見出した、ウッドストックのドクター・ジョン、ハース・マルティネス。騙されたと思って聴くべし、聴くべし…。
森 裕史-YUSI MORI (副編集長32歳独身)
がおすすめする、今年の夏、1人ぼっちでも実に!!!ご機嫌に過ごせるCDを紹介!!
『ジョン・サイモンズ・
アルバム 』

WARNER BROS;WPCP-4914/
¥2,330(税抜)
『ハース・マルティネス/
ハース・フロム・アース 』

WARNER BROS;WPCP-4916/
¥2,328(税抜)
『NOUVELLES VAGUES
ムーンライダーズ 』

日本クラウン;CRCP-144/
¥1,456(税抜)

息ぬき小説 TEXT:舟
「畑田裕子25歳」(第一話)

 窓から差し込む日差しが優しく私を揺り起こす。今年の夏はこの日差しにうんざりしたけど、やっと優しい目覚まし時計となってくれる季節となった。
カーテンを開けると「おはよう。今日もありがとう」眠気を振り払いながら私もお日様に話かける。そして朝の戦争が始まる。
「どうしてあと10分早く起きないのよ!」「何がお日様よ、くだらないひとりごと言ってる暇があったら歯磨けよ」「だから昨日のうちに着ていく服決めとけって言ったじゃない」などと自分を罵倒しながらの戦争は部屋を飛び出すと同時に終戦を迎える。だって、外に出てまで見苦しい姿、見せられないでしょう。OLになって1、2年の青小娘じゃあるまいし、人の目は世間の目。落ち着いてなくっちゃ、いつだって。
畑田裕子25歳。OL歴5年。同期の者はほとんど居ないのよね。結婚した子、転職した子、フリーター化した子。腰抜けの就職の結末は大体こんなとこで落ち着くものよ。でも、私はいやだ。女だからとか、女だてらにとか、そう言われると鳥肌が立つ。女だったら何がいけないの?女だから何が悪いの?そんな武家社会を引きずっているような奴らに、女だから凄いのよ、と思わせてやるのよ。それが今の私の支えなの。こんな事が支えだからいつまでたっても結婚できない。彼氏も出来ない。なんて言われるけど、結婚しなくちゃいけない訳?彼氏いないとどうしていけない訳?私はあの男を見返すんだから。あの男とのあの出来事が私を変えたのよ。可愛らしかった私をこんなに変えてしまったアイツを!
 3年前ぐらいの春、部長のお供で熊本に出張した帰り「畑田君、僕は旧友と久しぶりに杯を交わすから君は先に戻りなさい」得意先を出るといきなり自由行動宣言。どうせ飲み屋のネェちゃんと約束してるんでしょう。「お供させて頂いてもいいでしょうか?」頭のてっぺんから声を出してやろうかとも思ったけど、「気があるな」なんて訳の分かんない解釈されても迷惑なので、「お気をつけて」と満面の笑みで送ってやったわ。せっかく今日は馬刺し食いーの、焼酎飲みーの、会社の金で満腹幸せ状態で帰れると思ってたのに、まだ4時20分よ。てめーこんな時間から酒かっくらうかよ。お前はいいよな。会社の金でここまで来て、お得意様のご接待とか何とか言って、私用の飲代は領収書でおとして何様だと思ってんのよ。軽い足取りの部長の背中に、とりあえずこれぐらいは言ってやった。部長と別れて、水前寺清子が結婚式のパレードをやったという水前寺公園に行ってみることにした。季節もいいし、きっと綺麗な花が咲き乱れて「春爛漫」を味わえるわ。せっかくのフリータイムよ。いい男との出会いだって無いとはいえない。春に恋が芽生える。今年の夏は燃えるような恋。部長の熊本のお遊びのおかげで…。
 市内電車に乗った私はタイムスリップしたような感覚のなかで、陽が傾きかけた街並みの風景をぼんやり眺めていた。「次は水前寺公園」運転手さんのアナウンスに微笑み返しながら席を立った。公園は観光客と仕事を終えた?カップル達で溢れていた。暖かな空気と市内電車に乗った妙な感激が時間をゆっくり回しているようだった。池の辺りのベンチに腰掛けていると突然後ろから声を掛けられた。「ここ、いいですか?」きたぁ!!。頭に描いていた出会いの瞬間がこのゆっくりした時間の中でぼんやりと、いやハッキリとやってきたんだわ。「どうぞ」と言って振り返った私の目に写ったのは、右手を力強く握りしめ左手にケンタッキーを抱えたカップルだった。振り返った頭を、振り向いた5倍のスピードで元に戻した私は、「このおっちょこちょい。出会いはもっとドラマティックに登場よ」と言い聞かせるように一息ついた。「すみません」次の呼びかけは、写真を撮ってくれというアベックのお願い。次のすいませんはトイレの場所を尋ねられ、「待ち合わせかなぁ?」今度こそと思った。この台詞を口走った奴は、40はとうに過ぎた脂ギッシュなおやじだった。「当たり前でしょ。一人で時間潰してるような暇人に見えます?」このおやじにそう言った時の腹立たしさは、最近ではお目にかかっていない怒りだった。
 「畑田さん。どうかしたんですか?」肩を震わしている私の後ろから誰かが声を掛けた。振り向いた私はきっと鬼のような顔をしていたと思う。「すっごくこわい顔してますよ」声を掛けてきたのはうちの会社に出入りしているどっかの営業マンだった。「どうしてここにいらっしゃるんですか?」鬼の様相は天使には変わらないまでも出来る限りの笑顔と甘えた声で尋ねかけた。けど、名前すらも思い出せない。「だって僕、熊本ですよ。知りませんでした?こんな所で畑田さん見つけた方がもっとびっくりしますよ。熊本で会うとも思ってなかったし…。どなたかと待ち合わせですか?」「部長のお供で日帰り出張なんです。早めにお仕事終わったんでせっかくの熊本、ちょっと観光でもって思って…」「そうですか。でもここで会うなんて奇遇だなぁ。ということはこれから予定なしですか?」「えぇ。あまり遅くならないうちに帰ろうとは思っているんですけど。」「まだ大丈夫ですよねぇ」私が頷くと、「食事でもどうですか?御馳走させて下さい」ときた。ちょっと想像とは違うけど、結構いい男だし、誰なのかよく覚えてないけど声を掛けてきたって事はきっと私に気があるのよ。いつの間に惚れられてしまったのかしら。きっとこの人私に一目惚れしたんだわ。チャンスよ。この出会いは運命的なものよ。二人でタクシーに乗っている間ずっとこの運命的な出会いを神様に感謝していた。しかし、いかにしてこの人の名前を聞き出すかそれが問題だわ。「ご馳走していただくなんてとんでもないですわ。ちゃんと割り勘でいきましょう」「何言ってんですか畑田さん。誘ったのは僕ですよ。それに熊本は僕の庭です。僕に任せて下さいよ畑田さん」妙に私の名前を連呼されてとにかく早くこの人の名前を聞き出さなければ。でもどうやって聞き出そうかしら…。
・・・To be Concludede