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3曲目、ボサノヴァの名曲『イパネマの娘』にアドリブを加えて演奏し終えた大潟さんが観客にそう告げると、一段と大きな拍手が沸き起こった。今年で結成20周年を迎えたハルのこの日の記念コンサートが世界に放送されるのだ。それは日常の風景を過度の脚色をせずに、はるさんの高い歌唱力と大潟さんの類い希なるテクニックで表現するハルの歌が、世界中の人々に認められている証拠でもある。
20周年記念コンサートだからといって、特別なことを演るワケじゃなく普段通りに演りたいという2人の思いから、この夜も『おいしい水』でコンサートは始まった。1曲終えるごとに2人を温かい拍手が包み込む。『哀歌』では長谷川清さんとの出会いを、『筑豊の子守唄』ではクラブで弾き語りをしていた頃の話などを面白おかしく話し、会場を笑わせる。この会場との温かいやりとりもハルの魅力のひとつで、和気あいあいとした雰囲気が何とも心地いい。
アンコールで再びステージに表れた大潟さんが「アンコールはこの曲しかないよね」と『コンドルは飛んで行く』を奏ではじめた。日本でもっとも知られた南米の曲のひとつであり、南米と関わりの深い彼らにとって相応しい曲。ラスト『LOS
ANDES(過去へ旅人)』でこの日の幕は降りた。
途中、大潟さんは「20年前の僕たちに電話ができるのなら、無事に20周年記念コンサートをやっているから大丈夫だよと伝えたい。でも、20年後の僕から今電話をもらうとちょっと不安だ」と言っていたが、この日の観客はみんな20年後のふたりも大丈夫だよ、と思ったに違いない。そんな温かさを感じる夜だった。
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