WEB BEA VOICE Vol.237 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET
CUNTN' BANANAAZ(カントンバナナーズ)
 ブッキングボードを眺めているとコア系のバンドが多いことに気がついた。確かに掲示板のフライヤーにもコア系が目立つ。福岡の街で今「旬」はコア系なのかも知れない。 そこで今回はコテコテのハードコアバンドを紹介する。CUNTN' BANANAAZ(カントンバナナーズ)は3人編成のハードコアバンドで激しいステージングを売りとしている。一応ジャンルについて質問してみたら「メンタイハードコア」と返ってきた。地域限定のオリジナリティを意識した回答だ。サウンド的にはLIP CREAMやGUTに影響を受けているようだ。リリース予定の音源は今回the sound trac kで収録した4曲が5月頃MCRよりコンピレーションCDとして、更にチェコとフィンランドのインディーズレーベルよりリリースが予定されている。ライヴイベント企画にも積極的な彼ら。福岡のクラブやライヴハウスを中心に自主企画イベントを行い高い評価を受けている。しかし彼ら曰く「もっと出れる場が増えたらよいと思います。しっかりとしたクラブやライヴハウスがこの街には必要とされている」と語ってくれた。きっと定点による活動ではなく広いフィールドを求めているのだろう。最後に彼らのコンセプトは「FAST! LOUD! DRUNK!」だ。情報誌などでチェックして是非彼らのパフォーマンスを生で感じてくれ。
1996年夏結成。「流行に流されない、ファッションではない」を信条としたハードコアのスリーピースバンド。メンバーはB/VoZON(27)氷屋、G/Vo 本山(25)大工、Dr/Vo 西田(24)会社員の3人。地元福岡でのライヴ活動と共に海外インディーズレーベルでのリリースも行っている 。
■the sound track recording studio■ 2-3-46-1F WATANABE-DORI CHUO-KU FUKUOKA
810-0044 JAPAN 092-781-8855

Vol.20 ハリガネロック
“漫才”という名のRock'n Roll

                                                                                          理不尽な世の中にとことん毒を吐きまくる松口と温和なキャラで絶妙にツッコむ大上の漫才コンビ。スピード感あふれるネタの運びと切れ味鋭い見事なオチはコンビ名に負けず劣らず、かなりロックなノリである。命名者はもちろん、ストリート・スライダースをこよなく愛すロックな男・松口。「俺らはお笑いやけど、舞台でどうしても“ロックや!”て言いたかったんです(笑)」。「でも最初に舞台で“ハリガネロックです”って言った時の客の反応は“何?!”みたいな感じでしたよ」と大上。松口「ただ、その時の漫才がたまたまスピード早かったんです。それで“あぁハリガネロックやから、そんなんや”と思われた部分もあるみたいで。名前については僕らの方から歩み寄っていった感じはあります」。ちなみに、カラオケでヒット曲は歌うがロックはそんなに詳しくない大上。「昔から聴いているのはサザン(オールスターズ)ぐらい?あとはMISIAとか最近ちょっと聴いたりしてて…どちらかというと読書派ですね。推理小説が好きで、オススメは島田荘司の『占星術殺人事件』。よかったら読んでみてくださいよ」。また、昨年は同じ吉本興業所属の次長課長、シンドバッドらと初めてのテレビ番組『びじゅある』を持つも、1クールで終了。「テレビとはなんぞやというのがよ〜分かった」と大上。「でもだからこそ、もう1回挑戦したいですね」と松口。そのためには「これからも面白いネタを常に作って、それを維持していくのは当然。そうやって1回1回の舞台でちゃんと勝負をしていれば、例えあかんかっても自分で納得できるでしょ?」。2人のロック魂は今、熱く熱く燃え盛っている。
 文/なかしまさおり

▲>左:松口祐樹(1972年生まれ、大阪府出身)右:大上邦博(1973年生まれ、奈良県出身)/NSC11期生。95年4月コンビ結成。第18回ABCお笑い新人グランプリ最優秀新人賞、第27回NHK上方漫才コンテスト最優秀賞。2月1、14、28日、3月1、14、28日に心斎橋筋2丁目劇場にてソロ・イベント開催予定。
〜順子(SHUNZA)の巻〜
 彼女のアルバムを初めて聴いたのは、1年前の98年が始まって間もない頃だった。97年11月に台湾でリリースされ、瞬く間にチャート5位以内に入った彼女のデビューアルバム『順子 SHUNZA』。1曲目の「回家」はどことなく台湾のにおいが強いけれど、その他の10曲はまさに国籍不明。JAZZ、R&B、ブラック、ラップ・・・全てを完全に歌いこなしている。私はよく手持ちのチャイニーズポップスのCDからお勧め曲を編集し、「絶対良いから聴いて、聴いて」と押しつけては胡散臭がられる、という草の根活動を続けているが、皆一様に『順子』をベタ褒めし、チャイニーズポップスに対する思いこみを改め、挙げ句の果てに「ねえねえ、まだ新譜でないの?」とまで尋ねてくるのだ。 待ちに待った新譜は98年9月にリリースされた『I'm not a star』。アルバムタイトルにもなっているこの曲は38度以上もの高熱にうなされていた時に書き上げたらしい。北京語、英語以外にフランス語でも自ら作詞し歌っている。以上の3ヶ国語ができて、作詞作曲もこなし、美しくハリのある声、ライヴやMTVで見せるダンスも一流。この2月に26歳を迎える彼女に、天は何物を与えたのであろうか? 福岡でもぜひぜひライヴを見せて欲しい!!
  文/ヴィヴィアン


 映画『司祭』で世界の称賛を浴びたアントニア・バード監督による『フェイス』は単なる犯罪映画ではない。舞台は彼女の居住地でもあり、ロンドンの現実が横たわる街East End。“フェイス”と呼ばれる武装強盗集団のリーダー、レイの揺れる犯罪心理を軸にメンバーそれぞれの苦悩と現実を描き出す。レイを演じるのは『トレインスポッティング』、『フル・モンティ』で一躍脚光を浴びた個性派俳優ロバート・カーライル。一つの失敗(裏切り)から破滅への道を歩むメンバーには『さらば青春の光』のレイ・ウィンストンやフィリップ・デイビス、Blurのヴォーカル、デーモン・アルバーンなどが顔を揃える。しかも“アンチ・バイオレンス”を謳うアントニアだけに、映像の見せ方はいたってクールでスマート。クラッシュの『LONDON CALLING』をはじめ、一種、物語のキーワードとして流れる70年〜90年代のUKサウンドも彼女のこだわりのひとつかもしれない。またこの作品は「金への執拗な《執着心》がもたらす破壊的な力、つまり今日の英国体質そのものである」と脚本のローナン・ベネット。オープニングで流れるポール・ウェラーの『EVERYTHING HAS A PRICE TO PAY』にもその答えはあるかもしれない。トレスポより、ひと世代上のイギリス…それを知りたければ、これを観るのだ。
▲『フェイス』[97年/イギリス/監督:アントニア・バード/脚本:ローナン・ベネット/出演:ロバート・カーライル、レイ・ウィンストン、ジュリアンフィリップ・デイビス、スティーブン・ウォディントン、レナ・ヘディ他/KBCシネマ天神にて2月13日公開/サントラ盤はマーキュリー・ミュージックエンタテインメント]
 文/なかしまさおり

 今回のタイトル「太陽の翼」というのは、サニーデイ・サービスの最新アルバム「24時」に収録されている曲のひとつ。サニーデイの面々が渡英した際、かねてから敬愛していたトラッシュ・キャン・シナトラズと親交を持った時のことをモチーフにして作られた、クリアでしっとりうねるいい作品だ。
さてこのトラッシュ・キャン・シナトラズ(略してトラキャン)はスコットランドの出身でファーストアルバムは1990年。主要メンバーはカヴァーバンドなどを経てトラキャン結成までこぎつけ、GO!DISCSと契約、名作の誉れ高き「CAKE」をリリースすることに。 彼らのサウンドは、いわゆる「ネオアコ(ネオ・アコースティック)」と呼ばれる一派〜初期のザ・スミスやハウス・マーティンズ、アズテック・カメラの流れにあって、透明で切ないギターサウンドが特徴。もちろん、トラキャンはじめさっき挙げたバンド達も作品を追うごとに成長・変化していくので紋切り型に言っちゃいかんのだけど、おおまかに云えばこんな感じだ。そして歌詞。英国系のバンド特有のウイットに富んだ奥深い内容が、彼らのモヤリとしたサウンドと相まってそこはかとない知性を感じさせてくれる。
・・・・と、そんなことを考えつつ1996年のサードアルバム「A HAPPY POCKET」を聴く。彼らにとって最新作ながらすでに3年が経過している作品だ。ここでの演奏は、清らかでありつつもどこかくすんでいて北欧の冬空を彷彿させるもの。渾然一体となってエコー感たっぷり、部屋に充満するギター、ベース、ドラム、キーボードのまったりしたサウンドと切なくメロディアスな歌声。彼らなりの60年代ポップスに対するオマージュが漂ってくる。何度針を落としても、アルバムを聴き終えるまで時間が止まったような気がする。うーん、わかった!これはまさしく、最近の曽我部作品ではないか。もちろんパクリとかそういった下世話なレベルではなく、曽我部がずっと言い続けている<普遍的な音><真のポップス>ってやつだ。少なくとも現時点で曽我部はトラキャンのことを「現存する英国のバンドでいちばん好き」と断言している。 このツアーの合間をぬって曽我部とトラキャンはセッションを行い何らかの録音記録を残す予定があるらしい。噂に聞くところによるとサニーデイがトラキャンのスタジオを訪れた際、HARPERS BIZARRE(60年代のソフトロックグループ)のSNOWという曲をレコーディングしたというし、また今年はなんと!トラキャンの新作が出るかもしれないという噂もある。 百聞は一見にしかず。あなたの耳と目で、独自の道を歩むポップ職人達を確認しよう!
 文/森 裕史
〈Vol.4
人に借りたCDを返せない。理由はいくつかある。
1.借りて半年くらいになる。いまさら。
2.歌詞カードを収める小さいツメを折ってしまった。
3.すすめられて聴いたがあまりよくなく、感想を聞かれるのがイヤ。
4.誰のか分からない。
あ〜借りなければよかった。

 イラスト・文/貝塚好記(ジャンクラッシュ)

情念のシンガー〜早川義夫の巻
 いや実際、こんなに「うた」の力を思い知らされることって滅多にあるもんじゃない。早川義夫のことであります。彼がヴォーカルをとっていたバンド「ジャックス」は伝説になってしまったけれど、早川義夫はそんな過去などお構いなしに曲を作り歌い、叫び続けているのです。 僕は、早川義夫をロックミュージシャンだと思うのだけど彼のスタイルといえばピアノと「歌」だけ。なのにロックなのです。何故か?・・・それは曲を聴いて、ライヴを体験すれば分かる。人間が持っているいろんな感情を思い切り叫び、全身でピアノを打ち付けて表現する姿、これが全てを物語っているのです。 で、今回は早川義夫のライヴに同行。その人間味あふれる世界を耳に、目に、心に焼き付けることとあいなった。 ライヴの流れは大きい波がうねるように、ストーリーを紡ぐように展開していく。代表曲ともいえる「サルビアの花」からエッチな歌、ほのぼのとしたラヴソング、失恋する歌などがどんどん演奏されていく。曲間のしゃべりはほとんど、無い。歌で全てを表現するのだからしゃべりなどは余計なものなんだ、と納得できる。いろんなタイプの曲が、早川義夫という人間を余すところ無く伝えてくれる忘我の120分。オリジナルの楽曲は、もちろんいいのだけど意外だったのが『塀の上で』。これは鈴木慶一氏の曲で氏がムーンライダーズを結成する以前の、はちみつぱい時代に書いたものなんだけど、鳥肌ものだったです。本当に。 この春には待望の新作もリリースされるという話。ライヴで披露された「天使の遺言」や高田渡作「君の女房」はもちろんのこと、何を演っても早川義夫なんだけど、こういうちょっとした新展開って感じがすごく良かった。僕は日頃、レコード聴いたりラジオやテレビから流れてくるいろんな音楽を耳にしながら「ロックとは何ぞや?」と考え悩んでいるのですが(悩むなっちゅうの)、このライヴでやっぱ吹っ切れました。「見る前に跳べ」ですな、ほんと。
 文/森 裕史


『い』
■読んで得する音楽用語!
よし!1999年だ。遂に【い】に突入であります。ちゅう ことは・・・この連載あと50年は続くって事か。楽しい じゃありませんか。そんでは、めでたく【い】だっ!
【イースタンユース】ごめん!イエモン期待した人、イーストエンド+YURI期待した人、ファーイーストファミリーバンド期待した人(おらんて!)。で、本題。日本のoiパンク、スキンズというものがこんな形で実を結ぶ、ちゅうか認知されるとはまったく予想だにできなかった(少なくとも僕には)このイースタンユース。北海道産のラウドなギタートリオバンドである。日本語にこだわりまくったまっすぐな言葉は聴くものの胸に突き刺さる。そしてこれまたまっすぐでラウドな演奏と相まって、山下達郎や加川良といったベテランの耳をも奪うことに…。(本人が言うのをちゃんと確認したのだ)。『形式』に換骨奪胎された「ロックもどき」の多さに気付き、シーンを憂う多くの若者も、もちろん諸手を上げて歓迎した。でもあくまで我が道を進んでいる素晴らしいバンド。
 文/森 裕史

※情報は全てBEA VOICE VOL.237発行当時のものです※