叩きつける赤い魂。
 文/なかしまさおり TEXT by Saori Nakashima
 写真/山田トモフミ  PHOTO byTomofumi Yamada

バンド結成10年目。シングル『夜明け』で見つけた新たな光を、凄まじい強さと濃度でもって叩きつけたアルバム『Prunes&Custard』。ある意味ドラスティックで、ある意味自然の流れとして。彼らの代名詞的世界でもある“情けなさを笑う姿勢”を一切無くした、闇夜の深さと紅蓮の炎。今回はその衝撃のアルバム『Prunes&Custard』と3月20日にスタートしたばかりのツアー“SOUL BONE ATTACK”について、Vo.鈴木けいすけ氏とG.竹安堅一氏がたっぷり語ってくれました。


Dawn Is Breaking 〜照れ隠し無しの緊張感〜

--今回は、よりサウンドがガツンと来てる感じで、歌詞的にも何かここで1回腹を括ったという気がしたんですけど。特に己の生きざまを覚悟してるのがいずれも夜で、ある意味、新たなフラカンが明けていくんだな…と。
けいすけ(以下:け)「うん。今回はね最初から“夜っぽい感じにしよう”っていうのはありましたね。というのも(周りの)状況含めて、自分らの気分としても昼間じゃなかったし、色んな事が重なってって、“もっと深いものが欲しい”っていう音楽的欲求もあったんでね」
--それが夜中のイメージになった、と。
「そうそう。でも、夜中でもみんなで騒いでいる夜中じゃなく、一人一人が家に帰っていく夜中。緊張感というか、ちょっとひんやりした感じ、そういうのを求めてて。…でも、暗いではなく深いというか…うん、深くて勢いがあってガツンとしたモノ?そういう感じ」
--先行シングル『夜明け』はまさにタイトルそのものがキーワード的で核になってる感じですよね。
竹安(以下:竹)「ですね。でもレコーディング段階ではそこまで決めてなかったんですよ。先にこれをシングルで出すっていうんで、ちょっと早目に上げたんですけど、曲が上がって初めて“あ、これはアルバムの核になるな”って思って、それから」
け「うん。あの曲が出来て初めて(今回のアルバム・コンセプトを)開いたっていうのはあるよね」
竹「うん。その時点まではかなり手探り状態だったのが、そこでガッと核心に触れたっていうか。それでアルバム全体のトータル性が見えた感じはしますね」
--今回はサウンド的にも夜明けの“赤”というイメージが強いんですが。歌詞にも結構、そういう言葉が繰り返し使われていますよね?
け「…要はボキャブラリーが少ないというか、同じ言葉しか浮かばなかったっちゅうか(笑)」
--いやいや、逆に何度もそれが浮かぶってことは、それだけ強く言いたいことでもあるんじゃないですか?
竹「うん。今回俺はね、それはすごくいいことだと思ったんですね。歌詞が出てきて、そこにキーワード的な言葉が何個かあって。それってやっぱトータル性ってことじゃないですか?何か全部ひとつのところへ繋がっていってるっていうか、そういうのはいいなぁと思って」
--しかも、けいすけさんの詞がますますポジティヴに…というか、状況は相変わらず苛酷なんだけど、言葉の視線の上向き加減?それがかなり突き抜けてる感じがして。
け「でも自分ではあんまり意識してなくて。よく、前がそうだったなって言われて、あ、そうかなって。ただ今回はね、照れ隠しフレーズを入れないでおこうっていうのは思ってて。ちょっとオチを入れたりとか…」
--惨めさを笑いに変えたり、とか?
け「そうそう。そういうのは無くそうって。それはそれで好きなんですけど、テーマが一応“緊張感”なだけにね。笑いって緊張してたら出来ないでしょ?緩くないと。その緩みを今回は入れたくなかったんですよ」

My Generation 〜10年目30歳のフラカンズ's NEXT〜
--今年で結成10年目という事に関してはどうです?その辺の意識はアルバムに反映されたりしてます?
竹「いや作ってる時は全然意識してなくて。人に言われてようやく気付いて」
け「プロモーション段階に入ってからだね。そういう話をよくするようになって、やたらと10年目が重くなって来たのは(笑)。まぁ、どっちかっちゅうと今年で30(歳)っていう事の方が大きくてね」
竹「でもやっぱりね、今思うと、こういうアルバムの方向性に行くっていうのは“偶然30になるから”とか、“偶然10年目だから”とかじゃなかったなって。作る前の不安とか、浮かれたムードになれないっていうのは…」
--そういうところで繋がってたんだな、と?
け「ま、男は一応ね、30からっていうのもあるんですけど、単純に小さい頃のオヤジのイメージっちゅうのが30からでね。もう完全にデブでハゲなわけ(笑)。でも、自分が実際そこに来たらそんなに変わんなくて、これからも多分変わんないと思うんですけど…やっぱね、ロックだしね。“Don't Trust Over The 30”じゃないけど、何か30っていうのはキーワードにしてますよね」
--30代の目標とかってあります?
け「う〜ん…やっぱオヤジ・ワールドみたいなものは極めたいかな(笑)。ほら、オヤジのタフさってあるじゃないですか。何言われても屁とも思わない、まみれてもとにかく生きてます!みたいな。そういうタフさを身に付けたいね」
竹「俺は20代に色々な経験をしてそれを具体化できるのが30からだと思ってるから。いい意味で力抜いて、ガツガツせずにやっていきたいなと。バンドとしてもね、今回のアルバムで5枚目だし、レコーディングで色々な経験をして、前作の延長じゃなくこういう作品が出来て。またひとつ演れることが増えたなという感じですよね」
Just A Soul Attacker 〜叩きつける赤い魂〜
--さて、そうしたアルバムを引っ提げてのツアー。今回は鹿児島、大分、熊本、長崎、福岡…九州は5カ所もあるんですけど。
け「ええ。でも実は僕、まだ鹿児島行ったことないんですよ。キャンペーンも僕だけ行ってなくてね。そういう意味でもすごい楽しみっちゅうか…ま、ライヴはいつも通り、特に決め事とかなくワ〜ッとしたノリで演るんだけれども、いつもより若干濃い感じにはなるかな?単純にね“あ〜楽しかった”という感想ももちろん欲しいんだけど、もっとハートの奥の方にズボッと入るような感じが欲しいね。だから細かいMCとかも一切無しね(笑)。今までだと曲でグッと演ってMCで緩めて、みたいなパターンがあったじゃないですか。でも今回は庶民的な感じは出さずに、ガ〜ンと。面白いっていうより、カッコイイ!っていう衝撃的な感じを残したいですね」
竹「それに今回は新曲メインなんで、ちょっと激しいやつを叩きつけてやろうかなと。多分、古い曲もアレンジじゃなく、気持ちの問題で演奏が激しくなるだろうし、そういう部分も含めて楽しみにしていてほしいですね」
インタビュー こ・ぼ・れ・話!
98年春・ロゴス/あの“恋バナ”の続きが今…!
けいすけ「あの時のツアーを支えてたのはまぎれもなく僕のラブ・パワー、パワー・オブ・ラブ!!でしたよね(笑)。実は熊本城の隣に“恋みくじ”っていうのがありまして、そこでおみくじを引いたら大吉だったんですよ。で、その裏に好きな人の名前を書くとよりいいよ、みたいなことを言われて、ちゃんと名前を書いて財布に入れてたんですけどね…結果、ダメだったんですよ。というか、ダメになるなっていうのが分かってその前にひいたんです。ほら、確実にダメになるって分かっているのに告白する人いるじゃないですか?僕絶対イヤですよ、そんなの。もうそんなんやったら玉砕する前に終わりたい(笑)。ただね、こういう話をライヴとかでベラベラ喋るでしょ。それで相手に迷惑がかかってね。ひとつはそれでダメになるのかも…。だから最近は余計な事を言わないようにMC少なくしてるんですよ(苦笑)」
竹安「じゃ、今度のツアーも少なめにね(笑)」


NEW ALBUM
『Prunes&Custard』

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