| 1999年型小泉今日子。 | |
| 文/熊谷美広 TEXT by Yoshihiro Kumagai 写真/ノニータ PHOTO by Nonita |
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82年のデビュー以来、日本の音楽シーンに刺激を与え続けてきた小泉今日子。“正当派”の活動もしながら、“裏”では実験的な活動を行なうなど、その自由さが様々なシーンから大きな評価を受けてきた。そんな彼女の新曲『drivin' nite ; goin' on』は、元オリジナル・ラヴのキハラ龍太郎氏がプロデュースを手がけ、ロンドン・クラブ・シーン、ドラムン・ベースの超大物4heroがリミックスしたものをまずアナログ盤でリリースするという、またまたカゲキなリリース方法が取られている。1999年型の小泉今日子は、いったいどういう方向に進もうとしているのだろうか。 |
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――今回4heroがリミックスをやることになったきっかけは? |
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――ミニ・アルバムはどんなものになるのですか?小泉:『drivin' nite ; goin' on』のオリジナル・ミックスももちろん入りますし、あとはいろいろなタイプの、ヴァラエティに富んだものになっています。せっかくだからいろいろな曲を作って、いろいろな曲をライヴで歌おうっていう感じなので、ラテン・ハウスっぽい曲とか、あとトリニダード・トバゴにテレビの仕事で行ったんですけど、そこでスティール・パンのバンドとレコーディングもしました。 ――プロデューサー・キハラ龍太郎というのは、一緒にレコーディングをしてみてどういう印象でした? 小泉:すごくアーティストのことを大きいところで捉えてくれるプロデューサーだと思うし、とても信頼できる人ですね。敏感にいろいろなことに反応していってくれるというか、詞ができたら、それに合わせてサウンドもちょっと変えてくれたりとか、お互いにどんどんそういうことが湧き上がるという感じで、すごくおもしろかったです。 ――去年、インターネットで一般から曲を募集して制作したアルバム『KYO →』あたりから、ここのところ“裏コイズミ”的な動きが続いていると思うんですけど。 小泉:以前ははっきりと“裏コイズミ”と“表”というのを作らないと、受け止める側が受け止めにくいというか、コマーシャルをやったり、ドラマや映画で演技をしているときに求められる自分と、自分が興味があってやりたいことっていうのが、ちょっと違うところにあったので、そういう風にはっきりと分けた方がやりやすかったんですね。でもそういうことを10年くらいやってきて、今は別 にもう分ける必要がなくなったという感じですね。去年やったライヴは7年ぶりだったんですけど、そのときのアンケートを見ると、10代とか20代前半の女の子がすごく多くて、その子たちは、今私がやっていることにも何の違和感もなく、それが私だって普通 に受け止めてくれていたんですね。だからもう区別する必要もないのかなって。 ――今の10代にとっては、リミックスなんてごく普通 になっていますからね。 小泉:私が10代の時に、12インチのアナログなんかを出したりしていたんですけど、その頃は驚かれましたよね(笑)。私のような普通 の日本のアーティストで、テレビとか出ちゃう人が、リミックスをやったりする、ということが。でも最近は普通 になりましたね。 ――今回のツアーもキハラさんがバンマスだそうですが、どういうツアーになりそうですか? 小泉:内容についてはまだ詰めていないんですけど、前回は7年ぶりということで、7年前にやっていたこととは切り離したかったんですね。それで割とクールに、シンプルにやってみて、曲も絞った方がいいなということで、90年代の小泉今日子の曲に絞ってやってみたんです。でも次は、もうちょっと昔の曲とかも、リアレンジしてやれたらいいなと思っています。もちろん99年の新曲もやります。 |
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――今回はライヴ・ハウス・ツアーですけど、ライヴ・ハウスでやることにどういう意味があるのでしょうか?小泉:7年前まではホール・ツアーが中心だったので、それとは引き離したいという思いはありましたね。もちろんホールにはホールの良さみたいなものがあって、それは無視できないんですけど、それを無視しないと自分が無理しちゃう、みたいなところがあって、言いたいことがちょうどいい声の大きさで言える感じが、ライヴ・ハウスという大きさなのかもしれませんね。 ――7年ぶりにツアーをやってみて、お客さんの反応や、自分の感じ方などで、どこか変わったところはありましたか? 小泉:あのね、なんで7年間やらなかったかということから説明すると、ずーっと毎年毎年、恒例のようにツアーをやっていたんですけど、やっていくうちに自分も、スタッフも、お客さんも、私のコンサートの“波”みたいなものを知りすぎちゃって、ここでこれを歌うと感動するとか、ここでこれを歌うとみんなが席を立つとか、そういうことがわかりすぎて、気持ち悪くなっちゃったんですよ。それで、こんなことは良くない、1回休み、と思ったら、そのあと誰も何も言い出さず、7年経っちゃったと(笑)。でもその間に、ツアーはやらなかったんですけど、自分の持っていたラジオ番組のイベントみたいなことはチョコチョコやっていたんですね。いろいろなゲストの人を呼んだりして。そうやっていくうちに、そんな感じでライヴができるかなって。前回のツアーはすごく少ない本数だったけど、なんかちょっとつかめそうという感じがしたんです。だから次のツアーも早くやりたいですね。 ――そのツアーのあと、音楽的な活動は何かプランはあるのですか? 小泉:夏から秋にかけては音楽以外の仕事が入っているんですけど、インターネットの『KYO→』のホームページはまだ残してあって、曲の募集はまだしているんですよ。そこで反応がいろいろと出てきたら、またまとめようかということになるかもしれませんね。 |
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――『KYO→2』ができる可能性もある、と。小泉:そうですね。ホームページは曲の募集だけではなくて、“広場”としてずっと残しておこうと思ってます。いろいろな可能性を見つけるために使えればいいなって。 ――ファンとのコミュニケイトの、新たなる手段が見つかったという感じなんでしょうか? 小泉:例えば一方的に手紙をもらうということは今までにもありましたけど、それで私は了解するんだけど、返事がなかなかできないじゃないですか。でもああいう場所があると、両方でコミュニケイトが取れるという感じがするし、あと、今は受け止めてくれる人たちって、やっぱり形にならないといろいろなことが見れないですよね。 レコーディングしてるっていっても、その日々はみんなには見えなくて、リリースを待つだけじゃないですか。でもああいうものがあると、レコーディング・レポートみたいなこともできて、今がちゃんと見れるんですね。そういう意味では、とてもいいことだなと思いますね。 ――お話を聞いていると、これからはここ何年間やってきたことをギュッと凝縮して、それを発散させる時期にきた、という感じがするのですが。 小泉:そんな感覚もあるし、なんか新人っぽい気持ちもすごくあるんです。もちろんいろいろなことをやってきたのは経験として身になっているんですけど、それをすごく整理したら小っちゃくなったから、また他のものが入る場所がすごく増えた、という感覚があって、それにやってきたことが繋がっているという息苦しさがどこにもないんです。だから今はとても気持ちがいいですね。一歩進んで、一歩進むと知らないこと、わからないことが必ず増えるから、勉強しなきゃ、っていう気持ちです。 ――そういう気持ちになったのは、何かきっかけなどがあったのですか? 小泉:こんな風になれればいいなと思いながら、そこに向かって毎日を過ごしていくわけですけど、そんな中で、あ、これちょっと達成できたかなと思うと、また次に新しい目標ができていくわけじゃないですか。最近、たぶん自分の中でひとつ終わったことがあるんですね。だから今はまた違うところに一歩進んで、また知りたいことがいっぱいある、という感覚になっていますね。 |
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