WEB BEA VOICE Vol.243 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET


 ●インタビュー・構成/森 裕史

 最近はブラッキー(by サトー・ノト)なR&B指向が女性シンガーの主流。おいおいまたかよ!と、もう誰が何だか混乱してしまいそうな昨今、気が付くとクラムボンの個性がキラリと光っていた。原田郁子(実は高校まで井尻だったので筆者とは旧知。なので敬語じゃないです。あしからず)がピアノを弾きつつのびやかに歌えばキャロル・キングや矢野顕子に通じるシブさ溢れ、ベースとドラムを加えたトリオ編成で今日的なギターポップやオルタナティヴな新鮮さを映す。何たって若い。姿勢がフレッシュだ。まぁ物言いは老けた感もあるが、既視感が無い佇まいつうのは、大事です。ニューシングル『パンと蜜をめしあがれ』は、インディー時代にリリースされたマテリアルの再録バージョン。ピアノイントロが印象的な素晴らしいポップソングなのだが、クラムボンの実体はもっともっと深いのであった…。
---高野寛さんのアルバムにコーラスで参加してたし、雑誌とかでも上の世代にやたらと評価されてるねぇ。ところで高野さんとかTHE BOOMの宮沢さんとかいろんな先輩ミュージシャンと逢ってみて、収穫というか感じたことってある? 「実は案外下手なんだぁ」とか…イヒヒヒ

「(笑)そーんなこと思わない!宮沢さんに逢ったときも、矢野顕子のビデオで見てて、今その人と同じフィールドにいれることがすっごい嬉しくて。まさに今そんな気持ちなのね。でこの間、細野晴臣さんにラジオで初めて逢ってね。…すごい感動的でしょ?」
--そりゃそうやね…ちっ(舌打ち)
「『ちっ』じゃない『ちっ』じゃ(笑)ミト君は小学生の時から高野寛さん聴いたりしていたって云ってたから、そういう人と話したりできるっていうのは、なんかすごく不思議だよね。」
--ところで『パンと蜜をめしあがれ』って再録ですねぇ。
「大変でしたリテイクするの。ずいぶん経ってからだといいんだけど、まだ2年だから。ほんとは別の曲があったんだけど、周りから『シングルにしないの』と言われて。『離ればなれ』より全然前にできた曲だから、歌詞とか『今はもうこういうふうに書けない』ってのがあったんだけど。歌詞をシンプルに変えようかとも思ったり。もともと、自分の中では、エロい曲なんだけど…」
--エロい?はあ!?
「(笑)はあ、じゃなくて。それが案外みんなには伝わらないというか、すごく童話的だとか浮遊感があるとか『くじらむぼん』を出したときに思われていて。<パンと蜜>というのが自分の中ではまさに!エロい!と思っていたんだけど。もっと分かりやすく変えた方がいいのかなと思ったけど、やっぱりこの歌詞で馴染んでくれてる人が、少ないけどいる訳じゃないですか。だから、なんとか歌い方で出せないかなぁと思って。歌詞を変えないで…」
--なるほど。何となくニュアンスが違って聞こえるのはそういうところを意識しているわけやね。
「『くじらむぼん』でこの曲出してからライヴでやるうちにだんだんテンポが落ちてきて、音の隙間ができて各楽器の音がくっきり分かるというか、それぞれのノリが、ばちっと合わないとダメだから…そういうのがこの曲ですごく出た。それで、ねちっこさみたいなの、何とかして出したかった。ミックスの段階でヴォーカルがすごく前に出て、前みたいにバンド・サウンドが『バンッ!』て感じは減ったかも知れないけど、そういう所にメンバーみんなが気付いてきたんだと思います。」
2nd MAXI SINGLE
『パンと密をめしあがれ』
\1,260(tax in)/ワーナーミュージック
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