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--まずは今回のソロ・ワークについての経緯なんですが、これまでにSING
LIKE TALKING(以下S.L.T)で9枚のオリジナルアルバムを出されていて、それぞれ3枚おきに転機が訪れていると聞きました。今回もそうした流れの中での展開と受け取ってよろしいのでしょうか?
「ええ、そうですね。とりあえず色々な事情があって、しばらくS.L.Tとしての活動はお休みしようと。じゃ、その間それぞれがいろんな所を出歩いて、いろんな事を吸収して、またS.L.Tとしての活動を再開したときに何か還元できればいいなと思ったわけです。本当は5年前に出した『CORNERSTONES』というカヴァー・アルバムの2年後ぐらいにはオリジナルを…と思っていたんですけど、ずっとS.L.Tで忙しくて出来なかった。もともとデビュー前から、バンドもやりつつソロもやってみたいというのが僕の意向だったんで、今回やっと出せたという気はします。」 --今回は初のオリジナル・アルバムですし、予想としてはもっと作り込んだ音で出されるのかなと 思っていたんですが、意外にサラッとした聴き障りで非常にシンプルなポップスと言う感じがしたんですが。「それは嬉しいですね。実は今、非常に興味があるのはシンプルなロックやポップス…例えばフー・ファイターズとか良く聴いているんだけど、ああいうのがすごい好きで。どこかイージーな感じがあるというか、なるべくアンサンブルもシンプルにしていく感じで作りましたね。」 --でも楽器は全部ご自分で演奏されているんですよね? 「そうそう。だから手間は今までの中で一番かかってます(笑)。今年の2月からレコーディングを始めて、途中(日本との間を)行ったり来たりしながら、正味5カ月ぐらいは費やしてますね。なんせ今回のレコーディングはCatの自宅で、いきなり雑談が始まって軽く2時間が過ぎてたり。かと思えば、なにげに演奏が始まったり…非常に段取り無く、行き当たりばったり的にやってましたね。もう延々やって、飽きたら止める…その繰り返しで(笑)」 |
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| --作業的にはハードディスクにそのまま録音していくという方法をとられたんですよね?
「ええ。今回、Catの提案で始めてTD(トラックダウン)からマスタリングまで全部それでやったんですけど。やっぱり全然違いますね。例えば通常、2時間くらいでやってた作業が10秒で出来ちゃうとか、録りの素材の段階で16ビットではなく24ビットで録れるとか…ま、CDになる段階では16ビットになるんですけど、そういった意味では非常に効率もク オリティも高くなって良かったですね。それに編集も簡単ですからね、最初にいろんなアイディアを詰め込んで、音が出来上がった後にベースラインだけ変えるとか、そういうことも出来ましたし。」--メンタルな部分でも、そうした作業的な変化は何か影響しましたか? 「そうですね。例えば作業が早いので、アイディアが出た時にパッと出来る。待ってる間に気持ちがめげたりとか、そういうことがなかったですね。僕、飽きっぽいんですよ(笑)。どっちかっていうと直感でやっていくタイプなんで、そういうタイミングとか間合いとかは非常に大事ですね。ただ、これを自分が日本でやるとなると…ダメでしょうね。機械いじりが好きじゃないし、あれやりたい、これやりたいと言うだけでいいんだったら、やるかもしれませんけど」 --今回のアルバム・タイトル「FACT OF LIFE』なんですけど、これには“人生の中の避けがたい出来事”という意味があるそうで。サウンドとはちょっと対称的にシリアスな感じもしますよね。 「ええ。やっぱり今年は個人的にも友人のこととか非常に大きな出来事がいろいろあって。例えば僕、伊集院静さんが大好きなんですが、彼の本で共感するのは非常に悲しいぐらいどうしようもない事がこんなにあるけど生きなきゃだめだというような部分なんです。で、人生36年も生きていると本当にどうしようもない、切ない事っていうのは起きるわけで。でも、“その先へ行こう、行かなきゃいけない”という想いは今回、そういう身の回りの出来事も含めてアルバムに結構出てますよね。例えば詞の部分でも、(藤田)千章の場合は凄く前向きに、こうしていこうっていう理想形を歌っていて、それが彼のいい所でもあるんですけど、自分の場合はどうしても、その現実のまんまというか実体験しか書けなくて。そういった意味では非常にパーソナルなものになっています。」 |
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| --例えば“慈しみ”とか“手のひらの海”とか、普段はあまり使わない言葉もあって、非常に興味深いですよね。 「今回は特に自分の言葉を吐き出すように書いていこうというのがあって、ある意味、メロディに乗った時に、ぎこちなさとかそういうものが漂ったとしても、自分の言葉としてこれだと思ったらそれを無理矢理歌っちゃうぐ らいの、そういう意識はありましたね。それで、通常、歌では使わないような言葉…“慈しみ”とか“ウザイ”とか、あと“拵える(こしらえる)”とかね。そういった角(かど)をあえて残した感じの言葉もそのままやっていこうと思いましたね。それに…今はきっとそういう時代なんでしょうね。多分、ニルヴァーナとかの影響が非常に大きいとは思いますけど、きちっと仕上げられたものというよりは、本当に主張したいもののみでいいという。それまでのアメリカのハード・ロッカーはみんな、彼が出て来たことで印篭を渡されたって言ってるくらいですから」--ところでツアーはどういった感じになる予定ですか? 「基本的にはいつもと変わらない感じですね。ただただ演奏して、歌を聞かせて。ただ、S.L.Tのライヴの時はCDのアレンジとかを結構大事にしながら演っていましたが、今回のツアーでは完全に(アレンジを)イジるつもりなので、きっとCDとは全然違った感じになると思います。まぁ、コンサート自体も2年振りだし、何をしてるんだろうと思われている方が一杯いると思うんですけど、こうして元気にやってますので、是非、コンサートでそれを伝えられればなと。あとバンドが今回、黒人3人、白人1人、プエルトリカン1人、日本人2人っていう、まるでオリンピックみたいな絵面で、実質世界一のミュージシャンたちが揃いますので、例えばドラムがバンッと鳴った瞬間に歌と同じぐらいドキッとするような、シンプルだけれども音楽自体がどれだけカッコイイものかを見せられるライヴになればいいなと思います。…あ、MCは一応(根本)要さんと差別化する意味でも極力減らそうとは思ってますけど(笑)」 --では最後に九州のファンに一言。 「今回のソロ・アルバムは“打倒!S.L.T”を掲げてますので、3人の中で僕の発言力が増し、復権・復古できるように応援よろしくお願いします(笑)」 --どうも、ありがとうございました。 |
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