WEB BEA VOICE Vol.248 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET

CROSS-FM/FBS福岡放送/シティ情報ふくおかpresents
BUGY CRAXONE LIVE "LIVE CRAXONE"
1999.11.30(Tue) at DRUM Be-1
●text/Saori Nakashima ●photographs/Yukino Nakanishi 
 戦慄した。唸った。BUGY CRAXONE初のワンマン・ライヴ。早ければ1ラウンドK.O勝ち、長ければ12ラウンド判定持ち込み。それはまるで、目の前の敵を打ち砕くというよりはまず、過酷なトレーニングと減量に克ち、己の闇と戦わねばならないボクシングのストイシズムにも似て、僕らの心を徹底的に打ちのめした。
「アタシの歌詞は誰でも感じることだと思ってるから。世の中に対して公言したい、自分の考えを曝け出したい願望もそんなには強くないし」
誰もが年を重ねていくたび、ぶつかる“答えのない疑問”。不覚にもライヴ中、何度も泣きそうになってしまったのは、そういう“生”という命題へ向って、真っ向から挑むYUKKIの“うた”がズキンと心に響いたからだ。
そう、彼女は特別、ではない。例えばメディアが与えた“ファッション・アイコンとしての鈴木由紀子”なんぞ、まっ先に中指立てて蹴り落としてしまえ!なのだ。
実はこの日のライヴを遡ること11月3日。名古屋のライヴでYUKKIは史上に残る名言(?)を吐いた。
「おとなし過ぎるっ、貴様ら〜っ!」 「次も必ず会いに来やがれ、コノヤロー!」
…と客に逆ギレ(笑)。ま、この一件については
「いや、楽しかったんだけどさ(笑)。昔だったらそういう状況で客にのまれてたっていうか。それがのまれずに演れたってコトで“ありがとう名古屋!”みたいな感じで」とニヤリ一笑。いやはや男前っつうか、なんつうかリスナーに対する安っちぃ愛想なんてものは全くもって皆無。この日も、着ていたTシャツからして“テコンドーだし”(笑)。
そのポテンシャルの高さとともに圧倒的な気迫で挑んだステージはまさに“怒る”という表現にふさわしい代物だった。スタンド・マイクを蹴散らすなどは日常茶飯事。 例えば、自分で自分を傷つけることで精神的に安らぎを得ようとするリストカットにも似た、強い自傷行為が“うた”を通して行なわれている、そんな感じだった。
もちろん、そんな彼女のピュアな人間性に真っすぐ対峙することでバンドとしての存在感をワン・アンド・オンリーなモノにしている男性陣。疼くようなメロディ・ラインと冴え渡るギター・ワークでバンドに豊かな表情をつける笈川。華やかで攻撃的な一面を見せつつ、決してヴォーカルを殺しはしない三木のドラム。工藤のベースは独特のグルーヴ感と歪みを持って、エモーショナルな相反感情の増幅をさらに加速させていく。
本編ラストの『枯れた花』ではアウトロで何かを大きく叫んで立ち去ったYUKKI。アンコールでは一変、しっとりとした『泣きたい』を披露し、最後まで変化に富んだ充実のライヴで圧倒してくれた。
そういえば前回のインタビューで「(アルバムを完成させてファイティング・ポーズがとれたというベストな状態の今だからこそ)絶対、次に落ちる時が来ると思うんだ。それはやっぱりすっごい怖かったりもするんだけれど、その落ちた状態の時に上がれないとダメっていうか、そこが大事だと思うから」と言ってたYUKKI。ロックに無難な“保険”は必要無いと思うが、鋭敏に研ぎ澄まされた感性と反応力--単なる技術や体力だけでは補うことのできないバンドとしての“耐力”は今後、絶対的に必要となるだろう。何しろ、ブージーの本質ってまだまだこんなもんじゃぁないんだもんね?YUKKIちゃん!
というわけで、2月から始まる全国ツアー。今回演っていないアルバムの曲も含め、本当の意味での“本気”ライヴが楽しめると思うので、たとえ落ちても“上がる”覚悟の不屈なブージーをアナタも是非目撃してほしい。
2000年…『終わらないもの』のその先へ、ブージーは行く!

M1. 罪のしずく/M2. ミシェル/M3. まちがえさがし/M4. 朝靄/M5. 恋人へ/M6. キラキラ/M7. ピストルと天使/M8. オレンジみかづき/M9. 終わらないもの/M10. 枯れた花
EN1. 泣きたい