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高度情報社会の美学は軽くて、薄いこと。日常製品の大量製産や消費はもちろん、垂れ流しのメディア映像、繰り返しのファッション。うすっぺらい磁器面
に刷り込まれた不可視の情報はいつしか、それ自体が空虚なノンフィクションとして僕らにリアルな幻想を抱かせてゆく。
だが--CASCAD E--例えば、僕らがそういう名前の情報を、その軽くて薄い美学の中から入手できたとして、果 してそれは有効だろうか?いや、そのCASCADEという名の不可視情報はまるで、『マトリックス』のキアヌが抱いた違和感のように僕らを次第に、リアルな“幻想”からリアルな“ライヴ(実体)感”へと引きずり出してしまう。そう、何故なら彼らはいつもその軽薄の美学のからくりの上で“あえて”踊るトリック・スターだからだ。
“通常モード2000”--これまでにグングン広げてきたキャパをやや“通常”に戻した今回のツアーは、まさにそうした“ライヴ感”を実感するにはうってつけのライヴだったと言える。予想外のア・カペラでスタートした1曲目『AHAHA』はもちろん、究極のバラエティ感にブッ飛んだ選曲は新旧織りまぜ、2階席最後方部にいた僕らの身体を激しく揺らした。
5月のライヴよりもやや精悍な顔つきになったメンバー。MCもほとんど挟まないまま進行していくセットリストには、まさに“通 常モード”の4人がたっぷり溢れている。
そして9曲目。特効により、無数の発光体がイントロで客席にばら捲かれた『la narracion grande』。その“幻想”と“ライヴ”の空中拡散、そして融合はこの日、もっとも象徴的な一幕だったように思える。また、レコード会社移籍第1弾シングル『Dance
Capriccio』のカップリング『スナックボンボン』での“青年の主張”。桃電で勝たせろと訴えるHiroshiに、年末の支払いが大変と嘆くMakko…それぞれがそれぞれの「アホかーっ!」を主張していくステージは、ユニークでもあり、また関西コトバならではの“心理的距離感の近さ”を使った“アイロニーとしての日常感”をも実感させた。つまり、笑いを取りつつ刺す、これがCASCADEの得意技だというのを改めて認識させてくれた。
さらにアンコールでは1月26日にリリースされるNew Maxi Single『コングラッチェ』他4曲を披露。今後は2月23日にCASCADE初のベスト・アルバム『ピアザ』もリリースされる予定、それに伴うツアーも3月にスタートするという。
だが、彼らにとって“2000年だから云々…”という前置きはこれっぽっちも必要なく、だからこそわざわざ“通 常モード2000”と宣言された今回のツアーを皮切りに一点集中、軽くて薄い社会の美学を“いかに遊ぶか”にフォーカスしてこれからも走っていくのだろう。
…で、現在“ピアザ”は開店準備中。オープンは華々しくド派手にいくので、お楽しみに!
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