WEB BEA VOICE Vol.250 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET


THE MAD CAPSULE MARKETS OSC-DIS 2000 
1999.1.29(sat) at:Zepp Fukuoka
●text/Hideki Araki ●photographs/Tomofumi Yamada
コンダクター。英和字典には、指導者、案内者、電車・バスの車掌、導く者、そし てオーケストラなどの指揮者とある。語弊があるかもしれないが、この夜、MADの3 人は約2000人もの奏者からなるオーケストラの指揮者だった。
BALZACのオープニング・アクト後、赤い照明に照らし出されたステージに彼らが姿を現した。オープニング・ナンバーは『TRIBE』。昨年リリースされたア ルバム『OSC-DI
S』と同じスタートだ。TAKESHIのベースとMOTOKATSUのドラムが強力 なサウンドを叩き出す。KYONOもふたりのサウンドに負けじと歌う。彼らの曲は、指 揮者のタクトだ。彼らが大きくそのタクトを振ると、会場のあちこちでダイヴが始まる。文字通 り、人が人の上を泳ぎ、その海に潜っていく。小さく振ると、その人数が 減る。偉大な指揮者ほど、タクトの扱いは激しく、繊細だ。M-3『PULSE』では、会場の1人ひとりが叫ぶ。その声が大きな固まりとなり、大合唱となった。その後、KYONOが“久しぶりの福岡で、こんな大きなZeppでできて嬉しい。今夜は楽しん でいってください”とMC。開演前から、上半身はTシャツになり、頭や首にはタオルを巻いて臨戦態勢を整えていた会場は、この言葉でさらにヒートアップする。M-4までがアルバム『OSC-DIS』と同じ構成。KYONOの“懐かしい曲です”と共にM-5『 SYSTEMATIC』へ。ダイヴが激しさを増す。この頃にはステージに上がり、KYONOと肩 を組む輩も出てきた。最前列近くで撮影しているY氏のことがちょっと心配になる。ツブされてないか?M-9『STEP INTO YOURSELF』では、逆光の中に3人の姿が浮び 上がる。広大なイメージの曲をこれがミョーにマッチして、幻想の世界へとしばし引 きずり込まれる。アッという間に本編ラストM-12『MIDI SURF』。残り少ない至福の時間を楽しもうと、ダイヴや突き上げられる拳にも力が入る。曲が終わると一瞬の静 寂が会場を包み込み、すぐさまアンコールを求める声が会場を支配する。アンコールは、今ツアーで初めてプレイされる『ISLAND』、そして『HI- SIDE』。これでアルバ ム『OSC-DIS』の曲をすべてプレイしたことになる。ここまでされたら、もう狂っちゃうしかないでしょ。そりゃ、アドレナリンとドーパミンが一気に吹き出し、T.I.M がごとく「命」のポーズでダイヴしたくもなるっちゅうもんだ。すみません、書きなが ら取り乱してしまいました。
曲と曲の間に一瞬だけ発生する静寂。こんなにも静寂が綺麗なライヴは初めてだっ た。MADの曲が秀逸だからこそ感じる一瞬の静かさ。この瞬間があるからこそ、次の MADの曲を渇望するのだ。偉大な指揮者はオーケストラの出す音だけではなく、静寂 までをも自らの手により操ってしまう。そうした意味でも今夜のMADの3人は指揮者 だった。しかも、とびっきりの。


M1.TRIBE/ M2.OUT/DEFINITION/M3. PULSE/ M4. MULTIPLIES/ M5.SYSTEMATIC./ M6. RESTART!/
M7.ALL THE TIME IN SUNNY BEACH/ M8.JAG/M9.WALK/ M10.STEP INTO YOUR SELF/ M11.GOOD GIRL/
M12.MIDI SURF
EN1.ISLAND/EN2. HI-SIDE/EN3
.神歌