CROSS FM LIVE PEACE BRAND-NEW GIG VOL.3
2000.3.16(thu) at DRUM Be-1
●text/Saori Nakashima ●photographs/Yukino Nakanishi

ドラムレスの3ピース・バンド、Dutch Training。初の福岡上陸である。ライヴには生のドラムがサポーティング、NORIO(Vo &G)ふしぎ(G&Machine)Junya(Ba&Machine)という独特のトライアングルを盛り上げていく。中でも、歪んだギター、毒々しいベース--例えば『LIMIT』にあふれる疾走感や影、『FLYING』の持つ切なさといった部分は、CDのそれ以上に激しいアプローチを見せ、彼らに対するパブリック・イメージをある意味、軽く覆した。もちろん、甘く切ないファルセットが印象的な『Stay』や、ストレートでありながら自分たちなりの着地点をハッキリと見据えた『空の終わり』などでは、彼らの持つメロディー・センスの高さを改めて見せつけられ、今後さらに高まるであろう“ライヴとしての躍動感”に大きな期待を感じさせてくれた。

 また、桃乃未琴も、これまでにインストア・ライヴという形での演奏は行ったものの、今回のようにキーボード、ギター、ドラム、ベースというフル・バンドでの来福は本当に初めて。といっても、未琴自身の立ち振るまいがそうであるように、ステージそのものに過剰な気負いや演出は無く、MCでも「で、どうよ?楽しんでる?」と、まるで偶然、友だちと会ってする立ち話のようなラフさで問いかける。それは、よりダイナミックにアレンジされた『めくるめく愛へのハイウェイ』『あなたは海の底 2000-DROP』といった楽曲で吐き出す激しい熱度とは対照的に、グッと聴き手を身近に寄せ、“桃乃未琴”という存在感をより圧倒的に映し出すことにもなる。ラストは『羽根』。3月号のインタビューで語ったように、この曲も含めて今後はもっと彼女の中のトラウマ的な部分が、歌となり昇華されるであろう。もちろん、今回のライヴでは演奏されなかったけれども、5月24日にリリースされる新曲『青いトゲ』もそのひとつだ。次回は是非、ワンマン・ライヴで彼女としっかり向き合いたい--そんな思いを噛み締めたライヴであった。

トリはもちろんPEALOUT。精神の、そして己の肉体と魂の限界ギリギリにまで迫り来る彼らの爆裂ロックに、会場はのっけから圧倒されっぱなし。突進、激情、攻撃、燃焼。すっかり飽和状態となった空気の中で、そこは、まるで生と死の狭間に位置する第4次世界のように、ひとつの心地良い緊張と破壊を繰り返していく。と、同時に8曲目『YOU』に代表されるような、彼らが自らに課した命題。それが、“ライヴ”では、より鮮明に、そしてより激しい痛みと柔らかい優しさを持って提示されていく。この日は前2組の出演者も含め、“ロック”という現在地に活着するためには、何より“強さ”がなければ始まらない。ということをひしひしと感じたイベントだった。


【Dutch Training】M1. FLYING/M2. HIGH LIFE/M3. LIMIT/M4. Stay/M5. SHINE/M6. 空の終わり
【桃乃未琴】M1. 空/M2. 宇宙ベッド/M3. めくるめく愛へのハイウェイ/M4. この夜が明けないのならば/ M5. あなたは海の底 2000-DROP/M6. 花/M7. 太陽とアタシの心/M8. 羽根
【PEALOUT】M1. 心臓が動き出すとき/M2. AGAINST/M3. BE/M4. UNIVERSAL HEARTBEAT/M5. BURST WORLD/M6. BEAT FOR YOUR RIGHT/M7. LUCKY STAR/M8. YOU/M9. QUEST
EN1. IT'S THE END OF THE WORLD AS WE KNOW IT