WEB BEA VOICE Vol.254 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET


 ●インタビュー・構成/なかしまさおり
 昨年末、初のフル・アルバムを作り終えた、いわばバンドとしてはベストな状態の中、奇しくも鈴木由紀子は次のような言葉を口にしている。
“次に絶対、堕ちる時が来ると思う。でもその時に這い上がる力がなきゃダメ” ---。
思えば、それは2000年に入ってスタートしたワンマン・ツアー、そして(ある意味、新曲を作り上げることが前提とされた)4人だけでの合宿という、バンド史上初の“どん底状態”を不思議と予見したものであったと言えなくもない。ひとつは、バンドが好むと好まざるとに関わらず、既に周りが定義付けてしまっていたBUGY CRAXONEというパブリック・イメージの堅さの問題。当然、メンバーもスタッフも“変わんなきゃヤバイ”という意識の中で
「じゃ、実際にそれを等身大に戻そうってなった時、今度は“自分たちって何だっけ?”みたいなとこまで行っちゃったから、事は相当深刻だった」
鈴木は振り返る。いわゆるバンド自身のアイデンティティの揺らぎ。そしてそれに対する答えの模索。いわばそうしたギリギリの状態での互譲策が今回の新曲『虹』であったと言えるかもしれない。
例えば“オレンジみかづき”的発展深化型の詞は、最後まで解決を見ない。が、その分、強硬で大胆なモード・チェンジがサウンド面でハッキリと提示されている。
「結局、悩んでる中でまずは“変わる”ということが大前提だったから、そっちの道を選んだ結果が『虹』だったのね。だから、歌詞とかは全然、抜け切れてなくて、めちゃくちゃ書き直したし、満足度としてはまだまだだね(笑)」

とは言え、そこには自分たちの中で出せるオッケー・ラインの基準値が、単純に1年前より高くなったというのもあるのでは?
「うん。やっぱり、プロのミュージシャンとしてはその過程を褒められるだけじゃ全然意味が無いわけで、要は変わった上で良いのか、悪いのかっていう、そこが重要なわけだから、そのための力は出しきったと。ただ、歌詞に関して言えば自分の中の変なポリシーみたいなもんはわりと無くなって来たかな。何かさ、歌詞ってどこで書いてんだろうって思った時に、わりと歌ありきな部分、自分の感情ありきな部分、の両方あって。でも、出て来た曲が素晴らしければそのどっちでもいいかっていう、何かそういう頭と心の使い所を理屈じゃなく、身体で覚えたいんだよね」

今年の夏はシングル、そしてアルバムのレコーディングを行ないつつ、全国各地で開催されるイベント・ライヴに出演する。
「うちら意外に夏も似合うと思うし(笑)九州でも暑いうちに呼んでもらえたらなと思います」

ブージーの『虹』をステップとした新たな挑戦は、まさにこれからスタートする。

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『虹

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