WEB BEA VOICE Vol.256 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET

●文/森 裕史


 未だ福岡でのフルライヴが見れない、幻の大器benzoのリーダーでありギター、ヴォーカル、ソングライティングを手がける平泉光司に会った。彼は基本的に寡黙だが興が乗るといろいろ話してくれる、ということは黙っているときはこちらの話がつまらんということか。本人は「いや、聞いているんだよ」と無表情で答えるはず。気がつくと、ぬっと真横に居たりするような人である。が、別に彼らの音楽と関連づけているわけではない。おもろい人だということを表現したかっただけなのである。
ということで、現在のbenzoは、サニーデイ・サービスやノーザン・ブライトのサポートで絶妙なプレイを聴かせる高野勲が正式にメンバーとして参加、プロデューサーとしても辣腕を振るっている。関東方面では活発にライヴもこなす彼ら、あるライヴハウスの店長は「こういう音楽を演るバンドの中じゃ、ダントツに巧いでしょう」と言う。気になる・・・。
benzoのサウンドは、いうならシティ・ソウルの流れを汲む、甘美なメロディーとタイトなリズムが心地よく流れていくもの。ちょっとハスキーかつメロディー乗りの良い平泉の声が、また素晴らしい。前シングル『FLOWER』のカップリングで披露した悶絶カヴァー『雨は手のひらにいっぱ い』は、すばらしいの一言。で、平泉はキャロル・キングやスティーヴィー・ワンダーがお好みだという・・・そんなミュージシャン、腐るほど居るわ!と言うなかれ。何たって「ここいらの音楽」演らせたらダントツなバンドなのである。太平洋より広いポップ・ミュージックの海、この上なく広く深い。だが、敢えてそこに飛び込み獲物を探し、血肉にしていく様が、盤を重ねるごとに見えてくる、そういうバンドである。「巧い」という店長の言葉には、技巧だけでない彼らの魅力、そういった何かが含まれているのだ。
benzoと最初に会って、もう2年が過ぎた。一回くらいライヴしててもいいんじゃないかと思うのだが・・・。おっと忘れちゃいけない、来月発売のニューシングル『ECHOES』、奇を衒わず、自身の足下をしっかり見据えた佳作となった。
benzoの音楽は、どんどんたくましくなり、濃厚かつ爽快な(?)肌触りにも一段と磨きが掛かっているし、メンバーも自信ありげな素振りを見せている。満を持しての福岡初ライヴ、そう遠い日ではなさそうである。心して待たれい。
 

5th Maxi Single
『FLOWER』

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