文/なかしまさおり TEXT by Saori Nakashima
 
写真/山田トモフミ  PHOTO by Tomofumi Yamada  
今年の春に行われた初めての全国ツアー(8会場10公演)は、すべて即日完売。『花火』『カブトムシ』という2大ヒット・ナンバーを含んだセカンド・アルバム『桜の木の下』も、すでに170万枚のセールスを突破しているaikoが、ついに半年間の沈黙を破って新曲『ボーイフレンド』をリリース!“ライヴで盛り上がろうと作った”という、このナンバーに関するエピソード、そして12月に予定される全国9カ所11公演に及ぶホール・ツアーについて話を聞いた。

--9月20日にリリースsれた6枚目のマキシ・シングル『ボーイフレンド』ですが、これはライヴで盛り上がろうと想って作った曲だとか?
「はい。最初そう思って作ったんですけどねー。多分、実際にライヴで演るとなると…息が続かないんですよ(笑)。アタシいっつもそうなんですよ。なんでこんなん作ったんやろーって、レコーディングしてる時に思う事が多くてねー。」
--aikoさんの歌って結構、言葉をワーッと詰めてっちゃうのが多いですもんね。
「うん、うん、そうなのー。だから、それこそ(この曲は)会場のみんなに助けを求めながら歌おうと思ってて。」
--じゃ、アタマの方でバンジョーが鳴ってるっていうのも、そういう盛り上がりを意識してのアイディアですか?
「いえ、この曲に関してはもう初めからバンジョーが鳴ってた…頭の中で(笑)。でもね、最初アレンジャーさんの家で“こんな歌が出来たのー”とか言いながらピアノを弾いたりしてたんだけど、“わけ分からん”って言われて。うん…これ、しょっちゅうなんですけどね、“なんでこのコード進行に、このメロディが鳴っているのかよう分からん。おかしい”って言われるんですよ。でも、アタシの中ではおかしくなくて。今回もだんだんみんなを洗脳してって“あ、何となく分かってきたわー”っていうふうになってきて(笑)。で、“ここでバンジョーが鳴ってんのよー”って言ったら、“えーっ、バンジョーお?!アホやー!”とかって言われて(笑)。でも、きっと後にも先にもaikoの曲でバンジョーが使える曲はこれしかないから入れよっかみたいな感じで。最初は企画色強くない?とか言ってたんやけど、どうなんやろ…。」
--いや、面白いと思いますよ。変な違和感みたいなものも無いし、こういうaikoもアリ、みたいな感じで大歓迎だと思う。
「良かったー!なんかねー、久しぶりに出すのに“ナメてる”とか思われたらすごいイヤやなーと思って(笑)、ちょっとドキドキしてたんですよ。」
--でもタイトルが『ボーイフレンド』なのに、詩の内容は結構親密っぽくてドキッとしますよね。
「そうそう。今回はね、客観的というか、2人よりも1人で勝手に進行してしまってる感じなんです。自分の頭の中の妄想がすごく強い歌かなー。やっぱりね、恋愛って今、aikoが一番興味のある事やし、今はそれしか書けないって感じで。すごく冷静に書く時もあれば、逃げ場として曲に託す時もあったりして、いろいろなんです。でも、たまにね、芸能っぽい雑誌の人とか“これはいつ付き合ってた人なんですか?大阪の人?”とか(歌詞を)全部そっちに持ってく事があるんですよ。で、曲だけじゃダメなんかなー、アタシはこれに全部注いでんのに、これだけじゃいかんかなーって思ったりもするんですけど、そう言う時は“よし、全部ウソついたんねん!”とか思ったりして(笑)」

--そういえば、東京に引っ越ししたのって今年の初めでしたっけ?それ以降、自分の中から出てくる言葉に何か変化を感じたりします?
「あ"ーっそれはねえ、やっぱり友達って大事やなーって思った!!っていうか、東京にあまり友達いないし、なんやろ…ちょっとしたフレーズに“アタシには友達もいるし”みたいな、今までやったら出て来なかった歌詞が出て来たりとか…。うん、そういうのはありますね。だって寂しいですよぉー。ホンマどうしようか考える。例えば“東京の人と結婚してこのまま東京に永住するんやったら、真剣悩むよな”とか(笑)。ひと昔前の浪人生じゃないけど、東京って思ったよりも厳しいなーって。あの…結構保守的なんですよね、生活に関しては。シモキタに行こうとか全然思わないし…でも、そしたらどんどん落ち目にハマってって、めっちゃヒマなんやけど!みたいな(笑)。 だからホンマ、今、大阪の友だち何人かに“はよ(東京)出て来い”って言ってるくらいで(笑)」
-- じゃ、結構そういう友だちへの想いみたいなモノを綴った曲も、これからは出てくる可能性があるかもしれない、と?
「多分…そのうち。でも曲づくりに関してはアタシ、常に後ろから何かが迫って来てる感じがしてて、常に焦りと闘ってる気はするんですよね。事務所の人とか、“休んでいいよ”って言ってくれるんですけど、“ダメなんです!もっと書かないとダメなんです!”って感じで、こないだも1日10曲とか書いて来て(笑)。なんかねー、ストックがないと自分で不安っていうのもあるけど、そうやっていっぱい曲作ってゆったり音楽やんのもいいなーって最近は思うんです。もちろん、自分のためにスタッフの人が回ってくれたりとかしてるんですけど、あんまりそういう事ばかり考えたくないし、やっぱりみんなで一緒にイェーイ!ワッショイ!って楽しくやりたいからねー。だから1日10曲とか作ってって、“すんません、10曲しか出来なかったんです”とかってみんなを驚かせたり…もしかしたら、アタシすっごいレコーディングが好きかもしれない。うん。気心の知れた…そう19(歳)からやから、もう6年くらい一緒にやってるオジちゃんばっかりで、すごい楽しいっていうか、信頼してるっていうか。」
--じゃあ、12月から始まる全国ツアーの中でも、その現在制作中の曲が聴けたりするかも…ですね。
「そうですねー。aiko的には演りたいなーと思うんですけど、なんせ内容が何にも決まってないから。」
--あと、今回はホール公演ということもありますからね。見せ方もライヴハウスとは違って来るでしょうし。
(本誌編集長「しかも福岡では一番デカいホールだしね」)
「うそぉ〜!?ア、アタシ頑張ります(笑)。ていうか、春のツアーの時もねぇ、福岡はバリ緊張したんですよ。あそこ(DRUM LOGOS)上からモニターが吊るされてて、お客さんの反応が全然聴こえないんですね。だから“福岡のみんな、ホンマに楽しんでくれてんのかなぁ?”ってすっごい心配で。アタシ、お客さんの顔ばっかし一生懸命見てた。しかもツアー後半だったし、aiko体弱いから、風邪引いてかなりバテて薬づけになっとったから。でも、ホンマ勉強になったし、“ツアーでは風邪を引くもんなんや”って分かったから、それ以来、お薬飲まんようにしたんですよ。これってaikoの中ではすごい快挙で、4ヶ月1度も風邪を引いてないんです(笑)。だから次のツアーんときは頑張ろうって思ってて。」
--大好きな“明太子”も食べないといけないですしね(笑)。
「そうそう。昨日も輪切りにしてビールのおつまみで。…わ、なんかオヤジやな(笑)。あと、ラーメン。アタシ、細麺しかダメなんで博多ラーメンしか食べれないんです。だから福岡…うん、aikoはみんなに会いに行く気まんまんなので、万全な体調で行こうと思ってます。楽しみにしていてください。」

aiko
 '75年11月22日生まれ、大阪出身、AB型。
'95年5月TEEN'S MUSIC FESTIVAL全国大会にてTEEN'S大賞受賞。'97年12月インディーズ1st Album『astral box』リリース。'98年7月17日シングル『あした』でメジャー・デビュー。'00年3月1日にリリースした2nd Album『桜の木の下』はオリコン1位を獲得し、すでに170万枚を突破。独特のポップ感で多くのリスナーをとりこにしている。
http://www.ponycanyon.co.jp/


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