10年?だからどうした、みたいな。
まだ落ち着きたくないから、バンドに関しては
●インタビュー・構成/山崎さとみ
 デビュー11年目にして11枚目のオリジナル・アルバム『がむしゃら』を発表した横道坊主。10年という節目に“がむしゃら”を宣言出来る男前バンドは、そうそう居ない。しかも今作では、痛々しいまでに自身を見つめ突き詰め、必死で自身の存在を確かめながら生きてく、バンドの姿が浮き彫りにされている。
 「結局、最終的に行き着きたいとこは、“頑張って、まあ生きていこうや”っていうとこで。…最近ちょっとわかりかけてきたんですけど、どうしようもないことってあるんですよね。例えば、もう極端な話、背がちっこいとか太っているとか、結局自分で飲み込まなきゃ駄目な部分てあると思う。それを飲み込むことってすごく大変だけど、飲み込んでしまえば…多分そこから先に一歩進めるんだろうし。そのための作業のひとつとして、一回自分の嫌なところちゃんと自分に突きつけて見て、その上で、やるべきことがまだいろいろあるんじゃないか、と。…それはだから今回、非常に自分達に言ってる部分ていうのは多いですよね。10年ていう一区切りのところを越えて、でも10年越えたから、だからどうしたっていうのは自分達が一番感じてて。これからももっとどんどん挑戦をしていかなきゃいけないだろうし。そういうのも含めて、自分達も前に進みたいが為の、1枚目のアルバム、かな。だってまだまだ落ち着きたくないですもんね(笑)、バンドに関しては」(中村)。
 そう、だからアルバムを聴き終えて残るのは悲壮感ではなくて、タフな、爽快な感じ。サウンド面でも無駄は一切なく、バンド全体のグルーヴ感をよりダイナミックにダイレクトに伝えてくれる。
そして今作中異色とも言える『クワガタ』。これを聴けば、いかに横道坊主が成長を続けつつも、今も変わらず“横道坊主”のままでいるかということがよ〜くわかるはず。
 「クワガタって男の子にとっては象徴なんですよね、子供の頃の。夏はそれ中心に生活するわけですよ。早起きして採りに行って一日中それで遊んで。たかが虫一匹で1ヶ月半遊べた、そういうなんかキラキラした自分が居たってことは、ちゃんと胸の中に持っておきたいな、って。で…その頃の自分に負けたくないじゃないですか。あの頃は面白かったけど、でも今の自分はもっと凄いぜって言えるような自分でいたいし」。

●長崎出身。89年デビュー。結成当時からのオリジナル・メンバーである中村義人(Vo、Gu)、今井秀明(Gu、Vo)に、97年橋本潤(Ba)、98年福岡出身の木谷秀久(Dr)が加わり現メンバーとなる。アルバム制作、ライヴツアーとアクティヴに活動を続け、昨年デビュー10周年を迎えた。今年3月には2枚目のベスト盤『傷痕 THE BEST 1995-1999』を発表している。


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