WEB BEA VOICE Vol.261 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET
静かに、しかし、熱く燃えたライヴ
クラムボン TOUR 2000 まちわび まちさび
2000.12.8(fri) at DRUM LOGOS
TEXT by Hideki Araki PHOTO by Tomofumi Yamada
 ステージを後にする際にミトが言った「聴いてくれてる感じで、スゴイうれしかった」。
 この言葉がこの日のライヴを物語っていた。この言葉だけを聞くと、イマイチ、盛り上がりに欠けるライヴだったのでは?と思う人が居るかもしれないが、そんなことはない。会場はしっかりと熱く燃えていた。そう、例えるなら、青白い炎のように。
 見た目の派手な赤い炎と違い、青い炎は静かに燃える。小学校の頃、理科の授業で習ったように、それは完全燃焼している証拠だ。それを裏付けるように、ライヴ後会場の外でたむろしていた人の顔は皆笑顔だった。
 開演予定より5分程遅れて、強烈に光るライトの中に3人が浮かび上がった。オープニングは『ドギー&マギー』。10月にリリースされたアルバム『まちわび まちさび』と同じだ。さらに『シカゴ』、『まちわび まちさび』へと続く。特にアルバムのタイトル曲『まちわび まちさび』は、伊藤のドラムを中心に織り成されるドライヴ感が、メチャクチャカッコイイ。良い意味で今までのイメージも変えてくれる。この間、会場は一挙手一挙手、一音一音を見逃さず聞き逃さぬよう食い入るように見つめている。もちろん、体は思い思いにゆれながら。こうした所が、前述のミトの言葉に繋がったのだろう。
 『月食』から『雲ゆき』までは、新旧取り混ぜてプレイ。これまでにないノイジーな曲も、不思議としっくりハマっている。ここらは、アレンジと曲順の妙。それだけ、彼らが進歩しているということだろう。
 アンコールで出て来た3人は、今回のアルバムのために山中湖で合宿を行った話を披露。その時のジャムセッションが開場時のSEに使われていた。この曲は、適度に漂うアンビエントな雰囲気が、リラックスしていた彼らを彷佛させてイイ感じ。アンコールはアルバムのラストを飾る『090』と新曲『ララバイ サラバイ』。『090』は、どんな年齢の人も好きになりそうな親しみやすい曲。『ララバイ サラバイ』は、印象的なリフが無限の広がりを感じさせてくれる。そして、静かに熱くライヴは終わった。
 見た目に派手な盛り上がりはなかったが、会場は見えない一体感を持って熱くなっていた今回のライヴ。会場はしっかりとミュージシャンのメッセージを聞く。こんなスタイルも、良いライヴの姿のひとつだ。拳を突き上げたり、ダイヴするライヴも良いが、しっかりと目と耳で受け止める。そんなライヴの良さを実感させる内容だった。ミュージシャンとファンが太い信頼関係で結ばれているからこそ、これが成り立つ。こんなライヴもある意味、クラムボンではないか。みんなもそう思うでしょ。
M1. ドギー&マギー/M2. シカゴ/ M3. まちわび まちさび/M4. 月食/ M5. ゆれる ゆれる/M6. はなれ ばなれ/ M7. パンと蜜をめしあがれ/M8. EPIC/ M9. 大貧民/M10.ORENZI/M11.華香るある日/ M12.トレモロ/M13.246/M14.雲ゆき/ M15.ミラーボール/M16. 君は僕のもの
EN1. 090/EN2. ララバイ サラバイ