WEB BEA VOICE Vol.262 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET
地元の音楽家やキーパーソンを紹介するコラム
「これヤバイよ!歴史的に凄いとか言われているから」
Text by Hideki Araki

 ASA-CHANG/89年に東京スカパラダイスオーケストラのパーカッション兼バンマスとしてメジャーデビュー。93年に脱退し、フリー・パーカッショニストとなる。ラテン系からインド、さらにガラクタ、シンセなどを取り入れたその彼独自のスタイルを確立し、98年にソロ第1弾「タブラマグマボンゴ」をリリース。ASA-CHANG&巡礼の活動は、東京を中心にかなり注目されている。その他、Charaのライヴツアー、椎名林檎や小島麻由美のアルバム参加など、音楽シーンの最前線で活躍中。
http://www.riverrun.co.jp/

「なんじゃこりゃ〜!! 」(松田優作調でお願いします)。3月28日にリリースされるASA-CHANG&巡礼のニュー・アルバム『花』を聴いた人のうち、80%の人はそう叫ぶに違いない。そして50%の人がもう一度聴きなおすだろう。“そんだけじゃ、わかんねぇよ”っていう人は、このインタビューを読んだ後に買って聴いてくれ。これ本当にヤバイから。 勝手な使命感があった。
「してやったりって気持ちもないこともないけど。それは出来上がったから言える。でも作っている時は、音楽シーンの全体的なムードに怒りを感じていたので...。好きな音楽もたくさんあるけど、音楽活動をいろいろやってきたせいか、ポップ・ミュージック全体が物凄く薄っぺらく見えてきて、自分が聴きたい音楽は自分で作んなきゃいけないんじゃないかと思った。レコード屋にもないと思ったし、エバッて言ってるワケじゃなくて、ホントにマズイと思った。巡礼の活動も活発になって、その勢いもあったけど、ここら辺でお茶らけずにカッコつけずにマジで心にガンと来るヤツを作ろうという勝手な使命感があった」
既存のスタイルとかまるで意識して無い。
「(『花』を聴いた後は)ジャンルとかどうでもイイヤってなるし、そんなくくりはないんだ!って自分に問いかけちゃうよね。でも、こういうタイプの…例えば、テクノやトランス系の肌触りの音と、心を揺さぶるナンバーガールやブッチャーズ…もう演歌までOKにしちゃって、そんな音楽をメビウスの輪みたいにくっ付けちゃおうと思って作った。たぶん、そんな部分がオレにあったんだろうね。既存のスタイルとかまるで意識してないし。みんなオリジナリティを出すために頑張っているけど、ジャンルの中でのオリジナリティのような感じがする。もっと外にあるのに、行かない、行けない。そんな音楽シーンどこにも無いからハミ出すのがコワイんだろうけど。これを作ってそれを通り越してしまった」
作り方はいたって古風。
「作り方って不思議でしょ。ベートーベンの第何番みたいに、最初にスコアを書いちゃうんです。それを後で再現するという、いたって古風な作り方。それが一番簡単だったから。なんかシンセのツマミいじってこうなったとかじゃなく。もちろん、シンセやコンピュータも使っているけど、今の主流のスタイルとは対極の作り方ですね。音一つひとつは合ってなさそうに聴こえるけど、バーンって合うでしょ。あれは逆から計算しているんですよ」
ただ、今はトンデもないものを作っちゃったって思ってる。
「目指すところを今はちょっと言えないですね。これから1〜2年の活動でなんか見えて来ると思うから。ただ、今はトンデもないものを作っちゃったって自分でも思うんです。実際、東京のコアなシーンでも、コレどうしようってことで踏み絵みたいになってるみたい(笑)」

『花』
Hot-Cha RECORDS /music mine
¥1,890(tax in)
3/28 ON SALE!