Vocal Group vol.3 [Doo Wop]
『黒人R&Bを知る』 |
|
|
|
|
Sh-Boom / Chords(1954)
シュ・ブーム / コーズ
白人グループのクリュー・カッツのカヴァーの方が大ヒットしたが、本格的なドゥ・ワップ・ファンには断然こっちがお薦め。 |
Speedo / Cadillacs(1955)
スピードゥ / キャディラックス
前回のバラッド特集では『グロリア』をセレクトしましたが、今回はこの曲。本来は"Speed"と書くのが正しいが、NightをNiteと書いたりするのが50年代当時のR&B系の流行りだった。日本では無名ながらゴキゲンな曲だ。リード・シンガーのアール・スピーディ・キャロルは'58年にコースターズヘ移った。 |
Blue Moon / Marcels(1961)
ブルー・ムーン / マーセルズ
この曲は'35年にリチャード・ロジャースとロレンツ・ハートが書いたジャズのスタンダード。ほぼ一発屋だが'50年代のドゥ・ワップと比べると、遥かに洗練されている事に気付くはず。本当にドゥ・ワップの名演だ。
|
|
|
|
|
When You Dance
/ Turbans(1955) ホェン・ユー・ダンス / ターバンズ
フィラデルフィア出身の4人グループで、 これまたマイナー且つレアな曲ながら、極めて楽しい。私はジェイ&アメリカンズのカヴァー(1970年頃)でこの曲を知った。
|
Yakety Yak /
Coasters(1958) ヤケティ・ヤック / コースターズ
元はRobinsを名乗っていたが、'55年にロビンズとコースターズに分解した。勿論、コースターズの方が有名になった事は、言うまでもない。この曲は全米ポップ・チャートの1位になった。「チャーリー・ブラウン」と共に彼等を代表する曲。
|
Tonight[Could
Be The Night] / Velvets(1961) 夢のお月様 / ヴェルヴェッツ
ロイ・オービソン作の「愛しのラナ」のヒットも有ったヴェルヴェッツの代表作。リード・シンガーのヴァージル・ジョンソンが実に素晴らしい。Blue
Moonと共に後期ドゥ・ワップの名曲と言えよう。 |
| ▲曲名/グループ名(ヒットした年) |
|
ドゥ・ワップは、1950年代半ばにR&R(ロックン・ロール)と共にR&B(リズム・アンド・ブルーズ)の発展の中心的存在だった。ここで私はハッキリ言いたい。R&RはR&Bの歴史の一部(発展過程)である事を。日本ではエルヴィス・プレスリーの活躍が余りにも強烈で、R&Rがあたかも白人によって創られたイメージが定着している。しかし、'50年代以降、ポップスの重要なエッセンス(R&Bのコアな部分)は黒人のR&Rが創った。メジャーなレコード会社は商売上手で、R&Bのオイシイところだけを獲ってしまった。で、大ヒットしたのは黒人アーティストをカヴァーした白人アーティストである。確かに、R&Rは白人のカントリーと黒人のR&Bハイブリッド(混血)の部分も認められるが、あの強烈なビート(グルーヴ感)は黒人でしか創れない。加えて、ダンスの殆どはR&Bのアーティストによって創られた。ツィスト、モンキー、スィム、ブーガルーといった日本で知られるダンスは、R&Bのアーティストの作品から生れた。白人が作ったものは「サーフィン&ホット・ロッド」だけ。だが、ダンスとして定番になってはいない。もう一つ付け加えると、ジャズ以外の分野では人種差別も有り、黒人アーティストを抱える会社はマイナーが多い。従って、バンドの編成や録音技術にカネが掛けられていない。だから、アカペラに毛が生えた程度のバック・バンドしか付いていないし、音も余り良くない。が、ドゥ・ワップはこれを逆手にとって独自の表現方法で生きる道を作ったとも言える。
さて、ドゥ・ワップとR&Rは表裏一体で、黒人のソウル・スピリットに充ち溢れている。ドゥ・ワップは、グループのコーラス形態(表現方法)として'50年代初期に生れ、中期から後期にかけてブレイクした。モータウンやアトランティック系サザン・ソウルが認知される迄の重要な橋渡しをした。およそ10年間('60年代前期まで)にわたってドゥ・ワップは生き、そのスタイルは黒人のみならず、白人ヴォーカル・グループに受け継がれた。ビートルズにもその血が流れているのは疑いようも無い事実だ。
前号でも書きましたが、日本でドゥ・ワップが知られたのは1974年。この年に公開された映画「アメリカン・グラフィティ」でドゥ・ワップの名作が多く使われてから。それ迄は、殆ど音源も無く、洋楽マニアをもってしてもDoo-Wopという言葉さえ知らなかった。アメリカの旧い資料では、単にR&Bグループとしか記されておらず、'60年代にはこの用語は無かったと思う。
と、云う訳で、前回はバラッド(一般的に日本ではバラードと言われるが、原語のBALLADは、バラッドと発音すべきです。)特集でしたが、今回はテンポの良い曲〜文字通りのDoo-Wopを集めました。
*イタチの最後ッ屁
昨今のJ-POPでさかんに「アール・アン・ビィ」なるものが幅を利かせているが、決してR&B(Rhythm & Blues)ではない。黒人特有のソウル・スピリット(魂)など皆無で、ヒップ・ホップ系ですら本場の形態模写やパクリだ。単にリズム・マシンの打込みだけを真似しているに過ぎない。何ともレベルの低さに呆れるばかり。ポンキッキーズのレベルに甘んじる日本のポップスは、「お子様ランチ」のメニューしか無い。13歳になったら絶対に洋楽(本場のポップス)を聴くべし!
文・ジャケット提供/シュンサク兄 |
【Gotmany】
1995年4月2日〜2000年3月30日まで5年間にわたってCROSS FMでオンエアされた人気プログラムがビーボイス誌上で再開。音楽心満載の、雑多で奥深いセレクトが音楽ファン貴重な情報源であった。「ガメ煮」と掛けたタイトルも秀逸。 |
 |