WEB BEA VOICE Vol.266 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET

北九州ハードコアパンクのカリスマ逝く。

 70年代のパンクムーブメントが終わり"PUNKS NOT DEAD"と掲げたハードコアパンクのシーンが生まれた1980年代初頭、日本国内でも後にJAPコアと呼ばれ、海外のバンド達にも影響を与える事になる日本のハードコアバンドが各地で誕生していた。
その中でバックボーンとなる以前からのパンクシーンも無い中、北九州で結成されたのが白/KURO(シロと書いてクロと読ませる)である。
当時の福岡の音楽情報誌"BLUE JUG"からフォノシートと10"LP"WHO THE HELPLESS"を続けてリリースし、瞬く間に完売。彼等が注目された理由の中にはそれまでの北九州/福岡のバンドを想起させない激しいサウンドはもとより、当時の全国向け音楽誌にも取り上げられたスキャンダラスな暴力性などもあげられるだろう。ステージでのHIDEのギター破壊、爆竹そしてVo.MORIKAWAの客に緊張感を強いるほどの威圧感と暴力的なステージング、良かれ悪かれ当時その界隈に関わっていた連中には何等かの影響を与えている筈だ。今のLIVEハウスではあまり感じられない客もバンドも殺気立ったビリビリとした雰囲気や、時折起こる乱闘等も含めて九州のハードコアのイメージの一角は彼等によって形成されたと思うし、恐いという感覚よりもその空気が当時好きだったと思う奴は多いだろう。
そして九州に於いてはまだ珍しい存在であったHIDEによる自主製作レーベル(インディーズレーベル)"KPPレコード"の主宰、ここからは自らの音源、VTそして九州のバンドを集めたオムニバスなどをリリースしその時期の激しくも熱い九州パンクシーンを全国的に知らしめる役割もはたしていた。
実質的な活動はラストシングルとなった"FIRE"以降、年に数回のLIVE、メンバーチェンジ等により自然消滅的になってしまっていた。
その後、過去の音源が福岡のKINGS WORLDからCDやVTで再発され数年前にG.のHIDE以外は別 メンバーによるシングルがリリース、数回のLIVEの後再び活動停止し、現在は詳細不明となっていたが、先日、初代Vo.のMORIKAWA氏がガンの為、亡くなったという悲報が届いた。個人的な交友は無かったが、活動初期からバンドの活動は見ていたし、前記したように九州ハードコアのイメージを作り上げた中にはMORIKAWA氏の存在感もあったと思うと共に僕のハードコア感の中でも重要な存在であったと思うだけに安らかに眠って欲しいと思います。慎んで御冥福をお祈りします。


文/後藤貴幸(ボーダーライン小倉店)
■株式会社ボーダーライン カメレオンレコード■福岡店(092)761-0388/小倉店(093)533-1269
  
第5回:誰にも似てない音


三重人格ノ犬/怪物未来
CD:KBR-001
誰にも似てない音。皆そんな個性に憧れます。それが圧倒的なものであればあるほど。三重人格ノ犬、電圧に頼らない轟音は悪魔の力か。近年のテンポ落としてアルペジオすりゃスローコア、そんなん知らん。ブラックサバスの1stを越える音塊。先月観たグラインドサイコスや蝉のライブもなんだか理由も分からずすいませんと謝りたくなるような、もしくは猪木に気合を入れてもらってありがとうございましたと礼を述べてしまうような、そんな凄まじさのオーラが出てました。ああ、凄いもんは凄い。以前このコーナーで新譜を紹介したパニックスマイル、ひさしぶりの福岡公演決定です。福岡市東区にいたころから、んな!阿呆な!と嘘みたいな演奏を繰り広げ、先月のイギリスツアーでは対バンの地元ブリットポップ勢(あたりまえですか)の戦意を喪失させるノイズでひんしゅくを買うも、どうやら各会場のPAスタッフとオタクたちを完全に魅了、おまけに当時のカンタベリー凄腕野郎たちに手厚くもてなされる始末。いい!いや、いいんか?エイフィックスツインのリチャードはキッチンで皿を洗いながらパニックスマイルを愛聴!もっと彼らを暴走させたい!という方は是非ライブに行ってください。ちなみに有名な倉木なんとかさんのCDジャケットがスプリングスティーンの明日なき暴走でしたね。ライブ情報以下参照。

 文/林田恭孝


Vocal Group vol.11

『SOFT ROCK』1
ここ数年、ビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」が再評価?され、周辺のソフト・ロックにも光があたる様になったし、日本でもようやくゴスペラーズあたりの人気が出てきた。しかし、ビーチ・ボーイズのバイブルとも言うべきフォー・フレッシュメン(ジャズ・ヴォーカル・グループの最高峰)や、彼等を含むジャズ系ポップス系を問わず、コーラス・グループは、相変わらず不遇な状況下にある。高度なヴォーカル・アレンジと、それを完璧に表現するテクニックの凄さは、聴いた人しか解らない。今回ご紹介するコーラス・グループは、10人前後から4人くらいの編成で、バックをつとめるのは主にフル・オーケストラだ。ヴォーカルは勿論、バンドのアレンジにも充分手間とカネが掛けられている。サウンドはゴージャス且つジャズ・フィーリングに溢れている。いわば、洒落っ気タップリで、芳醇なワインの如き大人の味である。昨今のファースト・フード的なポップスに比べ、何とインテリジェンスに満ち、優雅な気分にさせてくれることか。まず、最近の放送局はおろか音楽の専門誌ですら取り挙げられる事が滅多に無い不毛のカテゴリーなのだ。私がこんな音楽に関心を深めたのは、ガキの時代から無類のジャズ・フアンという事もあったが、’60年代までアメリカ軍のキャンプが福岡に在り、専用のFEN放送(AM局)からこんな音楽が夜な夜な流れていたから。一般 のアメリカン・ポップスもリアル・タイムで聴けた。日本でのレコード発売は数ヶ月後だったし、マイナーなレーベルの曲や日本で人気の無いカテゴリーは、未発売で終わる事も珍しくなかった。だから、今回ご紹介する様な曲は、当時(’60年代)日本ではNHKくらいしか買っていなかったと思う。当然ながら、音源になるCDは、ニーズが皆無なので、今でも輸入CDは殆ど売っていない。一度買い損なうと、二度とお目にかかれないので、つい、買ってしまう。さて、この10年間洋楽(POPS)はドン底状態である。30代半ばで急に老けこむ日本人は、音楽から遠ざかり、CDを買わなくなる。一方、若い連中はJ-POPから洋楽へのステップ・アップする情熱が無いので、益々グレードの高いPOPS & JAZZは日陰の存在になる。何とも情け無い。早い話が、カノ女(カレ氏)も指を咥えているだけではモノにならない。音楽も同じで、こっちから積極的に求めなければ目くるめく官能の世界は永久に訪れないのだ。ナニも音楽も快感追求の為に存在する。一度知ったらやめられないイケナイ世界に陥りたかったら、もっとウラの世界へのめり込みましょう。
  文・ジャケット提供/シュンサク兄
1.Four Freshmen/Lullaby Of Birdland [1962]
このグループのハーモニーこそビーチ・ボーイズ・サウンド゛の基になった。同じキャピトルというジャズ・ヴォーカル屈指のレコード会社だった事もあり、F.F.のハーモニーはB.B.のみならず、あらゆるカテゴリーのヴァーカルに影響を与えた。更に特筆すべきは、メンバー自らトランペットやトロンボーンのアドリブを演奏出来る。ここ数年イギリスEMIから2枚のアルバムをCD1枚に収めたものが発売されているので,輸入盤を扱うショップで比較的入手し易い。グループ結成は1948年。
2.Johnny Mann Singers/Paper Doll [1965]
3,4にも共通するが、男女数名ずつの編成から繰り広げられる極めて明るいハーモニーは、お洒落なBGMにふさわしい。この曲は、1942年にミルス・ブラザースがミリオン・セラーをマークした曲で、F.シナトラ等もカヴァーしている。バックを努めているサイ・ゼントナーは、トロンボーン奏者。日本では全く無名ながらアメリカでは人気があった。この音源はアナログで、現在入手不可能。
3.Ray Charles Singers/Love Me With All Your Heart [1964]
かのレイ・チャールズとはアカの他人。ジョニーマン・シンガーズと同じカテゴリーのコーラス・グループで、先頃亡くなったペリー・コモ、グレン・キャンベルのTV番組や、多くのレコーディング・セッションのバックを努める一方、こんなヒット曲も出した。(1964年3位 ) 音源は輸入CDで入手可能。
4. Hi-Lo’s/Rockin’ Chair [1955]
日本のグループとは全く無関係で、私には甚だ迷惑千番だ。男性ばかりのジャズ・ヴォーカル・グループで結成は1953年。この曲は「スター・ダスト」や「我が心のジョージア」といった名曲を作ったホーギー・カーマイケルの作品で、前半はゴスペル調、後半はフォー・ビートで抜群のノリだ。1967年にメンバーの2人が男女2人を加えてグループを結成したのが次のシンガーズ・アンリミテットだ。音源はCDで入手可能。

5.Singers Unlimited/My Foolish Heart [1977]
このグループは確か2枚くらいア・カペラのアルバムが発売されたと記憶するが、この類稀なハーモニーは日本人には再現不可能かと思う。この曲の音源を収めたアルバムは、全曲がジャズのスタンダードとして数十年以上愛されてきた。ジャズ・ヴォーカル屈指の名盤と言えよう。この曲は同タイトルの映画の為にヴィクター・ヤンクが作曲し、ネッド・ワシントンが作詞をした。是非、カーメン・マックレェの名唱と聴き比べて頂きたい。音源はCDで入手可能。

※他にもランバート・ヘンドリックス & ロス、アニタ・カー・シンガーズ、レイ・コニフ・シンガーズ、パイド・パイパーズ、ザ・グループ等、ご紹介したいグループが沢山有りますが、紙面 の都合上割愛させて頂きます。尚、次回の7月では「夏」という事で、Beach Boysを中心に特集します。
【Gotmany】
1995年4月2日〜2000年3月30日まで5年間にわたってCROSS FMでオンエアされた人気プログラムがビーボイス誌上で再開。音楽心満載の、雑多で奥深いセレクトが音楽ファン貴重な情報源であった。「ガメ煮」と掛けたタイトルも秀逸。

  #007
〜めがねロックの新星、現わる!〜
ナンバーガール、くるりなどの登場により、一躍その名を世に知らしめた新たなるジャンル(?)“めがねロック”。
そういや、このBV SCREAMINGのY氏もメガネが素敵なミドル・ガイだが今回ご紹介するのは、ヴォーカルがナイスめがねのthe Jetze Johnson(ジェッジ・ジョンソン)。メンバーは藤戸じゅにあ(Vo)、池橋そういち(G)、中沢だいすけ(B)の3人で、これまでにアルバム2枚、マキシ2枚、Video1本リリース。ステージは編成通 り、ドラムレスで打込みだけど、激しいギター、情熱的なヴォーカル…決して巧くはないんだけれど、何か人の心に訴えかける“強い意志”のようなものが存在しているそんな感じ。ちょっと抽象的だけれど、青さと切なさが混濁したような不思議な激情、ウィーザーとか好きかな、この人たち?ま、欲を言えば打込みよりは生のドラムで演ってくれた方がその世界観をより具体的に伝えられそうな感じだけれど、今後もちょっと注目したいバンドの一つ。今後は6月以降に3rdマキシをインディーズ史上初の“カード型CD”で製作予定とのこと。ちなみに現在は彼らの2nd Album『ガルバディアン・ストライク』が全国のタワーレコードなどで発売中。福岡だったらカメレオンレコードなどでも取寄せ可能かも。興味を持った方は是非、聴いてみてみてチョ。
というわけで、来月もいろんな現場潜入してきやす! 

P.S ミッシェルの代々木フリー・ライヴも凄かったよ!!

文/なかしまさおり --http://rockets.cool.ne.jp/--

the Jetze Johnsonの3rdマキシシングル『ガルバディアン・ストライク』
\2,500(tax in)Now on sale!
公式サイト:http://www.jetze.net/

◆今月の現場リスト◆

◆4/25 Call me(PLANETS GROOVE,MIX-UP,ALMA,WESTRAL,Schlaf)
◆5/5 au presents LIVE RECOMMEND  (BULLSHIT,BEE'S KNEES,BOMB FACTORY他)
◆5/14 MIO
◆5/21 the Jetze Johnson,bugy craxone,S.L,backdoor
◆5/23 thee michellegun elephant
◆5/23 WINO

便利な音楽DBなど
歌詞を目で楽しむ醍醐味

Ongaku DB TOP PAGE。洋邦問わず、細かいジャンルに分かれている。

"ボサノバ"で検索すると発祥から代表作・入門編の紹介など、、とても良心的。

そこからまたアーティスト別で進んでゆくと、細やか丁寧な解説。これであなたも音楽知識人になれる!?

 約16.000曲の歌詞が無料で検索できる「Uta-Net」というのがある。曲名・歌手名・作詞家名の他に、歌詞の歌い出しだけは覚えていると言う場合も検索できる。しかし。歌詞を全文掲載していいんだろうか??と思いきや、「著作権の関係で邦楽でも登録できない楽曲もありますので、」という注意書きがあるのでOKなのでしょう。
試しに歌い出し「なみだ」で検索してみた。アニメ/タッチの主題歌、哀恋歌/キムヨムジャ、艶姿ナミダ娘/小泉今日子、木屋町の女/青江美奈、櫻の花のように/中条きよし、雨月伝説/小林幸子、などなどが出てきた。あれ。「な〜みだくんさよな〜ら〜」って曲がないのがちょっと不満。
歌い出しキーワード「さよなら」では64曲。歌手名「タイガース」では12曲出てきた。
昭和40年以降に生まれた人にはピンと来ないバンド名かもしれないけど、この手のデータベースの充実度を計るには欠かせないのがこういうチェック。たとえば歌手名「吉田拓郎」は35曲、「井上陽水」では59曲出てきたけど、実際の作品群がそんなもんじゃないのは周知の事実。だいたいこういうサービスは是非是非日本著作権協会にやって欲しいものです。会員向けにはそれなりのDBがあるけれど、さすがに歌い出し検索はない。:-)
しかし、メロディから離れて「詞」をしみじみと味わうのもなかなか楽しい。歌詞を知り尽くした好きな楽曲でも違った面 が見えてきます。
さてもうひとつは音楽DB(データベース)サービスと情報中心のサイト。ここはアルバム数が9000ちょっとで、いわゆる「総合カタログ」ではなく「名盤集」的な内容、という説明にもある通 り、入門編DBとも言える。けれど「レーベル」「ジャンル」「ムーブメント」といった検索もできるのでなかなか便利。しかも洋楽と邦楽の両面 で名盤情報が充実しているので嬉しい。
「やっぱブリティッシュロックな感じがいいじゃん」などとつい見栄を張って言ってしまった時、じゃ、その代表作と代表的アーティストは?なんて聞かれるとまずいかも。そんな時の力強い助っ人になってくれるでしょう。ムーブメントでは70年代ウエストコースト、アシッド・カルチャー/サイケデリック、グラムロック、グランジ、ブリット・ポップなどなどのキーワードに簡単な説明と代表的な作品の紹介がサーチと出来るようになっている。非常に詰めの甘い作品群ではあるが、基本はマスターできそう。
歌詞検索サーチ:http://www.uta-net.com/
ongakuDB.com:http://www.ongakudb.com/

Drop me a line?:toku@bea-net.com

TOKU-san/'74〜ミュージカル「Rocky Horror Show」(London cast)制作スタッフ。'78〜音楽プロダクション勤務にて原盤制作、出版管理、マネージメント、商品化権業務、ミュージカル「Hair」制作。その後契約にてTV番組制作、書籍&雑誌編集などを経て現在システムプロデューサー。気分は毎日70's。

最近、『College Radio Japan』が凄まじい。CRJスタッフである自分が言うのもなんだが、本当の話である。では何が凄まじいかといえば、番組。聴いていると「これFM音楽番組よね?オレが間違ってAM深夜トーク番組聴いてるわけじゃないよね?」と自己不信に陥る程、福岡FM界において異彩 を放っております。先日、遂に「中洲・風俗特集」なるものまで公共のFM電波に乗せてしまう異常事態に突入。そのくせ、かかる音楽は左のチャートを見てもらえば分かる通 り「やけにハイセンスな心躍るナンバー」という、このミスマッチの妙。非常にサイケデリックな状況を呈しております。そんなこんなのCRJですが、これからはリスナーを更に巻き込んでいこうと新企画を開始しました。その名も「フジロックへの道」。既に夏の恒例イベントとなりつつあるフジ・ロック・フェスティバルですが、「新潟までどうやって行けばいいの?持っていくべき物は?」などなど、行く前から途方に暮れてしまっているそこのアナタ。我々CRJスタッフがそんな疑問に一つ一つお答え致しますよ。アナタの疑問・質問をCRJに送りつけちゃってください。その他にも皆がアッと驚く新企画が水面 下で進行中だったり(まだ秘密)。詳しくは番組の中で告知していくので、ぜひぜひ土曜の深夜はCRJを聴いてねん。
文/CRJ-fukuoka
■ 20 OCTOBER 2001[chart/artist/title/label]
01.downy/酩酊フリーク[FIND OUT RECORDS]
02.RADIOHEAD/PYRAMID SONG[東芝EMI]
03.CONDOR 44/sample#5[DAIZAWA]
04.古明地洋哉/ghost[MIDI creative]
05.NYANTORA/2001[NOOO RECORDS]
06.BELTERS★/PENNY GEEN[Rat Red Cat Records]
07.BAD SIX BABIES/GENERATION A[UPSET]
08.PANIC SMILE/DRYFISH “干物と浪人”[MICRO MUSIC]
09.BEAT CRUSADERS/HAMBURG[lastrum]
10.MO'SOME TONEBENDER/echo[QUATTRO/UK DISCS]
CRJとはアメリカのCMJを日本にも創ろうと現役の大学生の手によってスタートしたもので、音楽のあらゆる枠組みを超えた自由な発想をもとにチャートを作成しています。CRJ-FUKUOKAは福岡に住む音楽好きの大学生、専門学生が中心となってラジオの企画・製作、フリーペーパーの作成、ライブ・クラブイベントの企画・運営を行っています。
■COLLEGE RADIO JAPAN  毎週土曜深夜3時よりCROSS FMで好評オンエア中
■WEB http://crjf.tripod.co.jp
※情報は全てBEA VOICE VOL.270発行当時のものです※