WEB BEA VOICE Vol.267 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET


陶酔の躍動感 音響の異空間 
LIVE TOUR 2001 "GIG THE MOSQUITO"
2001.6.1(fri) at イムズホール
TEXT by NAOMI KUBOYAMA PHOTO by RYOTARO HORIUCHI
 トリオという編成、グループの究極の姿をたっぷり堪能出来た、そう強く感じる夜だった。個々の活動と音楽センスは説明無用だと思うが、皆既月食現象並にしか見れないのだろうかと思わせる程、待ち望んでいたライヴ。真っ暗な中、静かに3人は現れ、ゆるーいステージ・ライトに照らされながらギター、ドラム、キーボードを巧みにあやつり始めた。こちらの勝手に熱くなりすぎた想いと身体をまるでクールダウンしてくれるかのように。曲が途切れることなく次々に音を重ね合わせいくグルーヴは気持ち良く、誰一人が欠けても加わってもその微妙なバランスは崩れてしまうであろうし、この3人だからこそ成り立っている空間が形成されていく。すぐ目の前で演奏してるのが不思議な程、音が会場中を飛び交う「なんか緊張しちゃうね」と青柳氏の照れMCで3人と私達の距離も縮まり、『DEAD P.C』鈴木氏の艶やかなウッドベース『Fee-ding to Die』『for ease』と青白いライトから真っ赤なライトに変り、まるでJAZZセッションのように演奏の強弱、個々の指さばき、手さばき、リズムの踊演は続いていく。『THE APEX』栗原氏のドラム、スティックは持たず、素手で強く優しく指で手の平でリズムを叩く姿にしばし見とれていると、『HOUSE OF PIANO』にいつの間にか曲は変わり、ループされるリズムの心地良さに自然と体も動き出す。3人共演奏中ほとんど表情は変えることなく、でも個々の静かな闘士は充分に熱く伝わってくる。真昼の真っ赤な太陽というより、静寂な夜にオレンジ色の光を放っている満月のよう。その光に誘われて迷い込んだ異空間そこには音のマイスター(職人)がいて、「今宵は心ゆくまで楽しんでいきなさい」と語りかけてくれる。その楽しさを一度味わうとまたその世界に迷い込みたくなる。
 そんなことをぼんやり考えているとライヴも終盤にさしかかり、アンコールではお約束のジャージへの着替えも済ませて登場。『NEW EUROPEANS』アルバムでは原型を感じさせない程凝ったカヴァー曲になっていたが、シンプルな音数で弾け、ギターがグイグイ鳴ったかと思えばレゲエっぽいリズムを刻んだり、変幻自在、今夜の妖艶を艶やかにフィナーレへと導く。迷い込んだ異空間「ここに居たいよ」と思う気持ちでいると、3人のマイスターは「ありがとう」とさわやかな笑顔を残し未来へと去っていった。

M1.Equinox Half-Holiday/M2.MIRAGE M3.NOWHERE/M4.DRIFT/M5.DEAD.P.C M6.Feeding to Die/M7.for ease M8.foolish king/M9.THE APEX M10.HOUSE OF PIANO/M11.FAR AND WIDE M12.Wedge/M13.MOSQUITO CURTAIN M14.NO RAIL TRAINS
EN1.INNER CITY LIFE/EN2.NEW EUROPEANS