WEB BEA VOICE Vol.268 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET
ライヴは新作とベリー・ベストと弾き語りの3本立て
●インタビュー・構成/HIDEKI ARAKI
 9月5日にリリースされるアルバム『first class』には、恋愛の様々なシーンが詰まっている。例えば、キャンプに行った場面や初々しいもどかしさなど。 「この年で手を握ってドキドキするって感じの曲を書くのも、いかがなものかと思うけど、その中から僕の年代の痛みとか、保障はないけど明日がまた良い日になればイイという思いが伝わると思うんです。それに今回は肩の力を抜いた楽しいものを作りたかったんですよ。そうするために歌詞は大事でした」と語る大江氏。続けて「『ステイションワゴン進む』は言葉で言うと、ロックンロールのロールの部分なんですよ。ポンコツ車が前に懸命に進んでいるところに、乾いた風や砂埃が吹いてる。そんな感じが自分でも好きですね」という。
 またファンとして気になるなるのは、彼の結婚観が表れたような『未来乗車券』の歌詞ではないだろうか。
「契約に縛られることなく、いろんな楽しみが増えていくのが結婚の良さだと思うんです。今回のアルバムはファンタジーを意識していて、特にこの曲は童話っぽく書きました。『ベルリン天使の歌』じゃないけど、僕はお化けのように主人公の近くにいる感じですね。結婚に関して、すっごい夢は持ってますしね。一番良いのは、一緒に居たい人と過ごすことだと思う」と語る。
これまでは自分に近い部分を歌ってきた大江氏だが、今回は曲の主人公から一歩離れた曲も特徴的だ。
「今回は作家に徹して、(曲の主人公に)近からず遠からずの位置をキープして、自分が言えないことを歌ってもらったんですよ。これは実験なんですけどね。作品を突き放すような感じ」という。
さらにメロディについては「ストリングスとゴツゴツしたバンド・サウンドの上にミックスされたハーモニーが好きなんですよ。ギャップというか、ミスマッチみたいな世界が」
 そして気になる10月のライヴについては「レコーディング・メンバーにもうひとりキーボードが入った編成で、僕の弾き語りもありますし、シンガーに徹する部分も多くあります。19年の歴史の中で印象的な曲もたくさん歌いたいと思ってます。みなさんに“あの曲がきた”と思ってもらえるような。そんな部分でもお客さんと一緒に盛り上がりたいですね。だから、新作とベリー・ベスト的なものと、弾き語りの3本立て」
となると今回のライヴはかなり内容の濃いものになりそう。ツアー最終日だし、本当に見逃せないライヴだ。

PROFILE/81年にCBSソニー・オーディション最優秀アーティスト賞を受賞し、83年にデビュー。その後、シンガー・ソングライターとしてはもちろん、役者、パーソナリティでも活躍。新作『first class』は、ファンタジーに溢れた誰もが親しめる作品に仕上がっている。
■大江千里オフィシャル HP http://www02.so-net.ne.jp/~sms

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