WEB BEA VOICE Vol.271 TOP  BACK NUMBER  ARTIST INDEX  BEA-NET
『One』は物語的にしたかった
●TEXT/HIDEKI ARAKI
 10月12日、札幌を皮切りにRIP SLYME初のワンマン・ツアーがスタート。その2公演目となるライヴが10月16日に福岡で行われた。
いつもの3倍はいた関係者が彼らへの注目の高さを表す。そして彼らは、いつもなら座って見ている関係者を圧倒し、総立ちにさせてしまった。
ステージ中盤に入ったM8『One』を歌い終え、PESが言った「RYO-Zが泣いてる」。RYO-Zは照れくさそうにしていたが、この曲はそれほどまでに感動的な曲だ。
 最新シングル『One』は、普遍的なテーマが歌われている。しかし、その歌詞は意外なところから始まったらしい。
「PESが2001年の呼び方を考えていたんですよ。普通に言うと長過ぎるから『One』にしたんです。そのタイトルに対して、それぞれがフリーで歌詞を考えました。でも、サビの部分は先に出来てたんですよ」
とRYO-Z。しかも、この曲は大ヒットとなった1stアルバム『FIVE』を制作している時、すでに出来ていたらしい。だが、勢いが全面 的に出たアルバムとは明らかに系統が違うために収録は見送られた。そして、この秋にリリースされたのだ。
「(アルバムと系統は違うけど)これも今までRIP SLYMEが持っていたモノですよ。誰もがいろんな面 を持ってるのと同じで」
とSUは言う。この言葉の裏には、これまでのシングルやアルバムだけで判断して欲しくないという思いがある。
「アルバムまではメンバー一人ひとりの個性と個性がぶつかりあっていたけど、『One』は物語的にしたかったから、話し合ってスト−リーを詰めていった。同じようにしっとりしたカップリングの『Today』はもっと緻密に作りましたし」
とRYO-Zが付け加える。
“One”という言葉は様々な意味を持っている。この言葉からふたりは何をイメージするのだろう。
RYO-Zは
「歌っていることだけど、人は一人で生まれてきて一人で死んでいくわけで、結局ずっと個であり続けることは変わらない。だからこそ、生きている間はちょっとでも楽しくいたい」
という。
SUは「オレの名前自体、“一人”って書くんですよ。お母さんに聞いたら、橋の下に一人で居たからって言われました。だから、“One”には個人のオレって意味もあるし、この曲から連想するのはRIP SLYMEが一人ってことですね」
という。
 今後は子供に向けた企画も考えてるという彼ら。RIPがJ-HIP HOPの可能性をさらに広げるのは間違いない。

PROFILE/94年にRYO-Z、ILMARI、PESの3人でRIP SLYMEが誕生。97年にFUMIYA、98年にSUが加入し、現在の構成になる。インディーズの頃からソロ活動を含め幅広く活躍。TMCには1回目から参加、そして今年3月に『STEPPER'S DELIGHT』でメジャー・デビュー。
オフィシャルHP:
http://www.ripslyme.com


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