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- 【高校一年生の宝ものステレオ】
高校一年生になった。三月から四月の一か月足らずの間に、中学の同
級生とはバラバラになったりしたが、新しい友達も出来た。良くも悪く
も環境はすっかり変わってしまった。バンドを作ろうと言っていた仲間
も二人欠けたし、早起きして「四人はアイドル」を一緒に見に行った友
達とも別れる事となった。 しかし、卒業祝いだ、やれ入学祝いだと集まってきた祝儀袋が僕の部屋を変えてくれた事が一番嬉しい環境の変化だ。
17cmのターン・テーブルだったポータブル・プレーヤーからガラード社製オート・チェンジ・プレーヤー付きのステレオ・セットに変わったのだ。
オート・チェンジ・プレーヤーと言うのは、シングル盤で7〜8枚、LPで4〜5枚のレコードを立て続けに自動的に聞けるのである。CDだ、MDだという昨今ではまるでアクロバットとも思えるような変速プレーが可能だが、30年前は数枚のレコードを置き換える事無く続けざまに聞けるというのは、宝物のように思えた。
ビートルズの「のっぽのサリー」「アイ・フィール・ファイン」、ローリング・ストーンズの「ハート・オブ・ストーン」「サティスファクション」それにデイブ・クラーク・ファイブの「リーリン・アンド・ロッキン」、クリフ・リチャードの「ダイナマイト」が、まるでジューク・ボックスのようにたて続けに聞けるのだから。
17cm、30cmのレコードが入り交じっても、ちゃんとオート・チェンジしてくれるのだが、回転数の違うレコードには対応できなかった。LPレコードだったら、片面20分として5枚分の1時間40分の間聞き続けられるのだから、少々ガチャとかカタンとか音がしても、このオート・チェンジ・プレーヤーは天にも昇るような毎日をプレゼントしてくれた。
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